前回は、現金預金残高を増やす観点から「資産を減らすためにはどんなことができるか」「負債を増やすためにはどんなことができるか」というような視点が重要だというお話をさせていただきました。今回は資産のうち「売掛金」という科目について確認していきたいと思います。
「売掛金」という科目は、売り上げが立ったのにもかかわらず、まだ入金がないお金がどのぐらいたまっているのかということを表している科目です。せっかく売り上げが増えたとしても、売掛金が増えるだけではいっこうに現金預金が増えないという残念な状態になってしまいます。
不景気な世の中だと、気づいたときには取引先がつぶれていたということも出てきますし、あまりにも長期間放置すると時効にかかって回収できないという結果になってしまうこともあります。さらに悪いことに、入金のあるなしにかかわらず売り上げが立てば税金や原価、経費の支払いも発生してきます。
そうすると、どれだけ早く回収して現金預金残高を増やすかということを本気で考えなければいけません。
税理士として多くの会社の会計をみていると、支払期限が来ているにもかかわらず入金がない取引先に対して翌日にきちんと電話で督促できているというところは少数です。また、取引先にちょっと待ってくださいといわれてしまうと、そのまま長期間待ち続けてしまうという方も意外と多いようです。
実は、締め日や支払日などの取引条件について本気で交渉したことがないという方も多くいます。相手が提示してくる条件をそのままのむ必要もないのですが、相手が言うだけ言ってみるというぐらいで提示してきた条件で合意してしまっている例も多いようです。このあたりをきちんと管理したり交渉したりすることで会社の現金預金はあっという間に増やすことができます。
その一方、特に交渉しなくても条件をのんでくれる方も多いはずです。先にこちらから有利な条件を提示して他社より早く振り込んでもらったり、場合によっては不動産の家賃のように前払いでもらったり、保証金を積んでもらうことすら可能な場合もあります。
忘れてはいけないのは、合意した条件をきちんと契約書にして、いざというときに合意があることをきちんと立証できるようにしておくことです。ロ約束と契約書では相手が感じるプレッシャーも異なってくるので、支払いが後回しにされるリスクが格段に減ります。
クレジットカード決済がある会社は、多少手数料が上がっても早期決済できるサービスを使うことで売掛金を大きく減らして現金預金残高を増やすことができます。意外と知られていませんので、この際検討してみてはいかがでしょうか。
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