前回(7月20日付)まで、資産に焦点を当てて会社のお金を増やす方法を検討してきました。今回からは、負債に焦点を当てていきます。
負債というと、それだけで何となく「嫌なもの」「避けたいもの」といったイメージを持たれる人が多いようです。たとえば、買掛金や未払金は、本来ならば現金ですぐに支払わなければならない代金を、取引先が親切に待ってくれることで成立する科目です。
設立して間がなく何の信用もない会社だと、なかなか支払いを待ってもらうことはできませんが、ある程度まで信頼関係ができてくるにしたがって増えてくる科目の一つです。
もちろん、支払いができなくて無理を聞いてもらうというようでは、次の取引が続きません。一定の残高があるということは、継続的に待ってもらえる「良い信頼関係」ができたという"勲章"のようなものです。
では、多くの人が最も嫌いな「借入金」はどうでしょう。こちらも、設立したての会社だと、少額しか貸してもらえないため、増やしたくてもなかなか増やせない科目の一つです。
しかし、きちんと返済実績を積み上げて、売り上げも安定してくると、銀行の方から「借りてください」というような話が来ることがあります。
借り入れを大きく増やすためには、きちんとした連帯保証人や土地などの担保をつけなければいけないことが多いのが現実です。しかし、信用のない会社の借り入れに、保証をしてくれたり担保を提供してくれたりする人はいません。借入金が増やせるということは、それだけ会社にJ信用力」が付いたということなのです。
このように、負債を増やすことができるということは、「信頼関係」や「信用力」があってこそ、可能なことなのです。言うまでもなく、無理に信用力を作ったり、相手をだましたりすれば、一時的には資金調達ができるかもしれませんが、そんな化けの皮はすぐにはげてしまいます。長期的には多くの敵を作り、事業が立ちいかなくなっていくでしょう。
一方で、会社に対して信頼を寄せてくれる取引先は、会社が成長して自社との取引をもっと増やしてくれることを望んでいるわけであり、信用してくれている銀行にとっても、先行き会社が伸びれば大きな取引ができ、安全にたくさんの利息を払ってくれることを望んでいます。
経営者は、これらの期待に応える責任を負うことになりますので、事業をしっかりと拡大し会社を成長させていかねばならないと、よい意味でのプレッシャーがかかってきます。最初に感じた、何となく「嫌なもの」「避けたいもの」というイメージの正体は、このプレッシャーなのです。
自分の会社だから自分の好きにさせてほしいということであれば、このプレッシャーはとても嫌なものになりますが、多くの人の期待に応えて会社を伸ばしていこうと思えば、このプレッシャーは非常に前向きなエールとなって、会社を後押ししてくれるものになります。
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