前回(7月23日付)は、負債によるプレッシャーをうまく使って会社を成長させるお話でした。今回は、具体的に買掛金と未払金の増やし方についてみていこうと思います。
買掛金や未払金を増やすにあたり、まず、締め日と支払日という概念をきちんと理解する必要があります。
締め日は、一定の期日を決めて、その日までに納品されたものを次の支払日に支払うという期日のことです。もともとは、集計の手間や振り込みの事務作業のためにもうけられた期日です。多くの会社は月末になっているかと思いますが、別に末日である必然性はありません。集計の都合上、20日に締めて末日までに届くように請求書を発行してもらっても良く、10日締めや15日締めではいけないという決まりはありません。
次に支払日ですが、多くの会社は翌月末日になっているのではないかと思います。当月末日締め、翌月末支払いという支払い条件で契約していたとすると、締め日から支払日まで1カ月の期間があるので、1カ月サイトと呼ぶこともあります。
支払日も、絶対に翌月末日でなければいけないということはありません。きちんと事前に契約してさえいれば、翌々月末支払いということも可能です。この場合、締め日から支払日まで2カ月あるので、2カ月サイトになります。
もうおわかりかもしれませんが、2カ月サイトになれば買掛金や未払金の残高は2倍になるので、取引先に支払いを持ってもらう結果、多額の資金調達ができることになります。
でも、実際にいきなり2カ月サイトに延ばしてくださいなどと交渉を始めると、資金繰りが悪いのではないかというようなうわさが立ちかねないので戦略的な対応が必要です。
実際に、こんな例がありました。新規の取引先とは、最初から2カ月サイトで契約していき、徐々に比率を増やしていきます。多少の事務的な手間は増えますが、そのうち1カ月サイトが少数派になってきます。そのような状態になれば、取引先とこういった交渉が可能です。「私としては御社との取引量を増やしたいのですが、他社とは2カ月サイトで契約していまして、財務担当者から承認が得られないのです。何とか他社と同じサイトでご協力いただけませんか」。当然、信頼関係が構築できていれば、取引先にとっても悪い話ではないので、合意してくれる可能性があります。
それでもだめなら、「15日締め翌月末払い」で何とか協力を仰いでみましょう。最初から2カ月は欲張りすぎかもしれませんが、1カ月半なら協力してくれるかもしれません。付け加えると、仕入れる量は自社でコントロールできるものであるため、16日以降に必要な分をまとめて仕入れてしまえば最長で2カ月近く支払いを待ってもらえることになります。
このように支払いを待ったもらったお金を有効活用してさらに取引量を増やし、取引先を喜ばせてあげることを忘れないようにしましょう。
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