前回(8月27日付)はエンジェル税制をご紹介しましたが、貸借対照表の純資産には資本金だけでなく利益も含まれています。今回からは、その利益の源泉になる売り上げをどうやって増やしていくのかについて検討していきたいと思います。
売り上げを上げるためにはさまざまな方法がありますが、皆さんはいくつ思いつくでしょうか。多くの場合、新規顧客を開拓することを考えて営業活動に力を入れたり、既存客から見込み客を紹介してもらう活動をしたりすることが多いようです。
しかし、売り上げを上げる方法はそれだけではありません。売り上げは「顧客数×平均購買額×平均購買頻度」という式で表すことも可能です。顧客が1000人いて、1回平均で3万円購入し、年間で2回購入するとしたら、「1000人×3万円×2回」で6000万円の売り上げになります。
この式のおもしろいところは、「かけ算」になっているということです。
仮に、毎日の営業活動を少しがんばったり、見込み客を紹介してもらったりして、顧客数を10%増加させたとします。さらに、追加提案や陳列などを工夫して1回の購入額を10%増加させたとします。加えて、既存客に電話フォローしたり、ダイレクトメールを送ったりして、平均購買頻度を10%増加させたとします。この程度であれば、みんなでアイデアを出し合って計画的に実行していけばできそうな気がしますよね。
では、「かけ算」をしてみましょう。顧客数が1.1倍、平均購買額が1.1倍、平均購買頻度が1.1倍になるわけですから式は次のとおりです。「1000人×1.1+3万円×1.1+2回×1.1」で7986万円の売り上げになります。分解して考えると、それほど難しくないことの積み重ねだけで、売り上げは1.33倍に増加するのです。
仮に、不景気で業績が低迷している会社で、売り上げが3割増加したとしたらどうでしょう。稼働率が低下していた機械や人員をフル稼働させるなど、既存の設備と人員を使うことで大きなコスト増にならないかもしれません。そうすると、利益は簡単に2倍になってしまうようなことが発生してきます。簡単な「かけ算」の式ではありますが、これを活用することにより、非常に大きな影響力を持つ武器にすることができます。
不景気の中で新規顧客開拓ばかりに力を使い、値下げで平均購買額の低下を招き、コスト削減やサービスレベルの低下などで平均購買頻度を低下させてしまっている会社が多いような気がします。しかも新規顧客開拓はとてもコストが高いため、当面は利益につながらないことも多いでしょう。
このように残念な結果にならないために、次回からは具体的にどんなことをすれば売り上げアップにつながるのかについて、確認していきたいと思います。
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