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フジサンケイビジネスアイ 特別コラボ企画

【資本を増やしてお金を増やす① 「議決権なし」の増資も可能】

 前回(8月20日付)までは、負債を増やすという視点から、会社の現預金を増やす方法を検討してきました。今回からは、貸借対照表の右下にある純資産に焦点を当てていきます。

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 会社の資本金が増えれば、それに見合う現預金が増えることになります。現物出資という方法をとった場合でも、資本金の価値に見合う資産が増えるため、その資産の活用や売却を通して、いずれ会社の現預金が増えることになります。また、資本金は会社にとって返済の必要がない賃金調達方法なので、銀行や取引先から見ると、資本金が大きいほど安定性が高いといえることになります。
 中小企業経営者には増資の経験がない人も多く、外部の株主が入ってくるのを極度に嫌がるという人もいらっしゃいます。株式を発行すると議決権の一部を他の株主に渡すことになり、財務情報も公開しなければいけないので、その分、自分の好きなように経営できないと思っているわけです。
 しかし、現在では議決権のない株式を発行することもできます。たとえば、取締役だけしか議決権を行使できないという定めを定款に設けることもできます。出資側にとっても、実質的に何の役にも立たない議決権など興味がなく、きちんと配当さえしてくれればよいという人も大勢いるので、自分の会社ではなくなるというような心配をしなくても良くなる事前設計が可能です。

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 また、株価についても、オーナー社長が会社をつくったときより、格段に事業が安定して、リスクも減っているはずです。出資してくれる人の了解が得られれば、多少は高く引き受けてもらっても問題ありません。具体的には、当初は1株5万円で設立したとしても、1株7万円とか10万円で発行してもかまわないのです。そうすれば、あまり議決権を渡さずに、大きな資金を調達することができます。
 資本金を増やすことができれば、対外的な信用が高まることで銀行借り入れもしやすくなり、さらなる資金調達も可能となります。しかし、税金面からは資本金が増えれば均等割という税金が増えたり、税率が上がってしまったり、場合によっては中小企業の範囲から外れてしまい、中小企業向けの優遇措置が一切使えなくなってしまうといったデメリットが生じる場合があります。増資の場合は、税理士などの専門家にきちんと事前に相談すると良いでしょう。
 会社を強くしていくためには、資本金を含む純資産を厚くしていくことが必須になってきます。計画的かつ戦略的に資本金を増やして会社を安定させ、次の一手を打つための資金を効率よく調達していきましょう。

アストラット株式会社

 若くてフットワークが良いスタッフを中心にお客様のサポートを行っています。 新しいことにどんどんチャレンジするスタッフが多く「それはできません」という仕事が少ないのが当社の特徴です。
 弁護士や会計士、税理士、司法書士、社労士、中小企業診断士、行政書士、ファイナンシャルプランナーと社内にほとんどの専門家が常駐していることから、本当に必要なサービスを一ヶ所で受けることができる便利さが喜ばれています。

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