前回(8月24日付)から純資産を厚くする話に入りましたが、今回は創業間もない会社でも出資を集めやすくなる制度をご紹介したいと思います。
創業時や創業間もない会社の場合、経営基盤が安定していなかったり、出資金の回収に大きなリスクを伴ったりすることから、外部から出資を集めることがなかなかできないことが多いようです。
出資者にとっては、自分が出資した金額以上の金額で株式を売ることや、将来は配当を受けることができるという期待をもって投資をしています。従って、会社はそれに応えるだけの利益を出して、企業成長をしていくことが大きな使命であるといえましょう。
ところで、もし出資した金額を出資者の所得から控除することができ、税金が還付されるような制度があるとすれば、出資者にとって配当や譲渡益にプラスしてお金を得ることができるため、とても魅力的ですよね。
その制度が「エンジェル税制」です。創業してから3年以内の一定の会社に出資した場合、出資者の所得税の確定申告時に出資額を寄付金控除として控除できる制度です。エンジェル税制は一部のベンチャー企業への投資にしか使えないと思っている人も多いようです。しかし、詳細を確認してみると、それほど難しい要件ではないため、多くの若い会社で活用できるチャンスがあります。
特に設立して間もない会社に出資する場合は、要件が少ないので狙い目です。会社側からみても、会社の利益を超えて出資者に投資メリットを提供できることから、返済の必要のない安定した資金を調達しやすくなります。
また、資本金が厚くなれば銀行からの借り入れもしやすくなります。例えば日本政策金融公庫では、設備投資資金の借り入れについてエンジェル税制の要件を満たす企業への貸付条件が優遇される制度もあります。
エンジェル税制は、発行済株式数の6分の1以上を親族以外の外部出資者が保有していることが必要要件ですが、配当優先無議決権株式など議決権のない株式を使うことができるのも使い勝手がよい点です。
出資者にとっても、この制度を使えば最大で投資額の約40%の税額が還付されることから、その後の配当や株式譲渡益などで少なくとも投資額の6割以上が回収できれば損をすることはありません。
身近な飲食店、農業を行う会社、個性的な雑貨店、スポーツチームを運営する会社、さらに映画制作までエンジェル税制を活用した出資が広がってきています。工夫次第でさまざまな使い方ができるのがこの制度の特長です。
なお、エンジェル税制には寄付金控除のほかにも、他の株式譲渡益を圧縮できる制度もあります。
エンジェル税制の詳細はホームページ(http://www.meti.go.jp/policy/newbusiness/angel/)で。
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