前回(9月7日付)、顧客ターゲットを絞り込んで成功した弁当屋の事例をみていきました。今回は、その続きでレストランを開業するときの事例から始めてみたいと思います。
レストランを開業するために何人かが集まっていろいろと議論していました。その中で誰からともなく、こんな質問が出たそうです。「レストランを開業するにあたって、何が最も重要ですか」
これに対して、立地が大切だという人や、メニューの数だという人、いやいや内装と雰囲気が重要だという人、賃金調達ができなければ何もできないという人、やっぱり原点にさかのぼって味が最も大切だという人、それぞれ、いろいろなことを言って結論がさっぱりまとまりませんでした。皆さんなら何が大切だと思いますか・
参加者の視線は、今まで腕組みして黙っていた、ある著名なマーケティングコンサルタントに集まりました。彼の答えはこのようなものです。「私なら、腹をすかせた大勢の顧客がほしいね」
レストランなどの飲食業では、味はおいしいのが当たり前、立地やお店の雰囲気も良くて当たり前です。その中で他店より1円でも売り上げを多くしようと熾烈な競争を繰り広げています。しかし、よくよく周りを見渡してみると、こんなことはありませんか。
《大きな会議やセミナーで、大勢の人が集まっているにもかかわらず、まわりに飲食店がほとんどない。参加者の多くは時間が限られた昼休みの間に何とか昼食をとろうといろいろなところを探し回るが、結局、近所で唯一開いている牛井チェーン店に群がった》
そのお店は大繁盛ですが、提供している牛丼の味や内装は他の店と何も変わりません。違っているのは、腹をすかせた大量の顧客がいることだけです。おそらく、少し味が悪かったり、価格が高かったりしたとしても、他に選択肢のない顧客にとっては、その店の牛丼を食べるか、昼食をあきらめて空腹のままでいることぐらいしか選べないのです。
顧客のニーズはとにかく空腹を満たすことにあります。いかに早く牛丼を食べられるか、品切れを起こさないかなどの方が味や内装などより重要です。加えて、何度も同じ参加者がやってくるわけではないため、次回は自分で弁当を用意してこようという発想がそもそも生まれない可能性もあります。
牛丼屋は、主催会場の担当者から会議やセミナーの予定を事前に聞き出して、仕入れやアルバイトのシフト調整に生かしているとのことです。というのも、会場を運営している人たちが高齢化しており、弁当の販売など面倒なことはしたくないらしいのです。
いかがですか。競争が激しい飲食業に限らず、もし、こんな"市場の空白地帯"が見つかれば、みなさんにも大もうけのチャンスがありますよ。
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