前回(9月10日付)は、市場の空白を見つけた牛丼屋の事例をお話ししましたが、お金も信用もない駆け出しの企業ですら、顧客を一気に増やす方法があるのです。当然、過去に実績のある中小企業の皆さんにもチャンスがありますよ。
その話の前に、まずはちょっとショッキングなことを指摘しなければいけません。「顧客はあなたのことを信用していないのです」
普通に生活している人でさえ、毎日、何千という広告を目にしたり聞いたりしています。すべての広告に反応していては時間がいくらあっても足りません。予算の制約もあります。
「ほかにもたくさんの会社があるのに、なぜあなたと取引しなければいけないのか」
これに対する何らかの答えを出さない限り、そもそも顧客は振り向いてくれることさえありません。何の実績もない駆け出しの企業にとって、このハードルはとても高いものです。どんなにデザインに凝ってみても、広告宣伝にお金をかけてみても、考えられる最高品質の製品を作ってみたとしても、そもそも顧客が振り向いてくれなければ取引につながりません。
次に、たとえ振り向いてくれたとしても、顧客にとって、広告に書いてある内容が本当だと信じなければいけない理由はありません。何しろ、見たことも聞いたこともない会社の広告ですから、どれだけ顧客に有利なことを書いていたとしても「本当に?」と疑われてしまうのです。
これらのことがわかると、いろいろなことが可能になります。すでに顧客から信用されている会社がほかにたくさんあるわけですから、工夫次第ではその肩に乗せてもらうことすらできるのです。
例えば、大手の書店や家電量販店、スーパーマーケットなどの店先に、小さなブースを出して商品を販売している例を見たことはありませんか。あれは、賃料を支払って集客力のある場所と信用を借りていることになります。提供側にとっては、遊休スペースを活用して収益を生み出すことが可能になります。
また、通信販売の宅配物の中に特典案内が入っていることがります。これは、特典を提供することで、販売元の顧客リストと信用を借りている例です。販売元にとっても、ほかでは手に入らない特典を提供してもらえれば顧客満足につながり、広告費がもらえれば配送料の足しにできるので、お互いにメリットがあるというわけです。
このように、工夫次第では販売パートナーと相互利益のある取引関係を構築できます。提携相手のニーズをよく分析してさまざまな提案をしてみてはいかがでしょうか。特に信用のない駆け出しの企業にとって、大きな飛躍のきっかけになることが多いので、あきらめずにチャレンジしてみましょう。
若くてフットワークが良いスタッフを中心にお客様のサポートを行っています。 新しいことにどんどんチャレンジするスタッフが多く「それはできません」という仕事が少ないのが当社の特徴です。
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