【売り上げを増やすための3つの要素⑦　集客商品と収益商品に分ける】の詳細

【売り上げを増やすための3つの要素⑦　集客商品と収益商品に分ける】

　前回(9月17日付)は顧客が購入を決定するために必要な情報を事前に提供するというお話でしたが､今回は､口コミや紹介についてみてみようと思います｡

　若者の酒離れが進んでいるようです｡最近では不景気もここまできたかと思えるような居酒屋が登場しているのですが､皆さんご存じですか｡その居酒屋､なんとお酒がタダで飲める居酒屋なのです｡今のところ､焼酎が飲み放題で､ビールは3杯目以降が無料ということです｡女性は梅酒や日本酒も無料になるみたいですので本気のようです｡気になる方は｢焼酎 無料｣とインターネットで検索してもらえればすぐに見つかると思います。
　実は､この居酒屋､フードメニューから1人2品以上注文しないと､焼酎が無料にならない仕組みで､よく考えてみると平均客単価は他の居酒屋と大して変わらないところに落ち着くように設計されています｡しかも､焼酎の注ぎ口があるところでほかの客と顔を合わせるようになっていたり､客席の仕切りが少ない設計になっていたり､店舗自体が客同士の会話を弾ませるように設計されています｡当然､焼酎が無料なんてすごいとか､こんな仕組みはびっくりというような会話が繰り広げられます｡
　いままでなかったような仕組みで顧客を驚かせることができれば､口コミが広がりますし､マスコミからの取材も受けることになります｡Twitter(ツイッター)やブログでも話題になりますので､広告宣伝効果も抜群です｡そして､一度びっくりした顧客は､ほかの友達も連れてリピートしてくれますので､勢いに乗って店舗数を急速に増やすことも可能になります｡

　あり得ないと思えるようなことでビックリすると誰かに話したくなってしまうのが人間ですので､口コミがどんどん広がるというわけです｡平均客単価は変わらないので､広告宣伝効果を考えると非常に良い投資ということになります｡
　実はこのアイデア､インターネットの世界ではごく当たり前に使われているやり方で､｢集客商品｣は無料やビックリするような安い価格で提供し､品質に満足した顧客にもうけが大きい｢収益商品｣を買ってもらうという戦略です。この居酒屋では焼酎が｢集客商品｣で､フードが｢収益商品｣ということになります｡この戦略はインターネットや居酒屋だけで使えるという性質のものではありませんので､皆さんのビジネスでも､｢集客商品｣と｢収益商品｣をわけるという戦略を導入できないかテストしてみてはいかがでしょうか｡
　たまにこんな情報をtwitterでつぶやいています｡ ⇒ http://twitter.com/t_nishiuchi