前回(10月15日付)は、顧客を知り、顧客に焦点を合わせることが売り上げを伸ばすための近道だというお話でした。では、どのようにこれを実践していったらいいのでしょうか。
以前紹介したジェイ・エイプラハムの著作で「クラッシュ・マーケティング」(実業之日本社)という書籍には、人は購入までに次の4つのステップを踏むと述べられています。①自分のニーズに気づく、②そのニーズに対処するかどうか判断する、③選択肢を比較評価する、④購入先を選択する。ほとんどの人は自分のニーズに気づいてすらいません。自分に問題があるとも、何かを買いたいとも思っていません。
そうした顧客に、ニーズや問題に気づかせてあげるというのが最初のステップになります。例えば、こんな具合です。
「急ぎで資料をコピーしなければならないときに、プリンターの処理速度が遅くてイライラした経験はありませんか?」
こうして、顧客が何となく感じていた不満や問題を明確にして示してあげることで、彼らはニーズを認識することができるようになります。このステップを抜きに、いくら「このプリンターの印刷速度は毎分31枚でして、このクラスの他社の製品と比べても非常に高い性能の商品です」というようなプレゼンをしても、「だから何?」というような反応が返ってくるのが関の山です。
顧客が自分のニーズに気づいたとして、次に、そのニーズに対処するかどうかを判断することになります。このステップでの最大の敵は「何もしない」ということです。この「何もしない」という最大の敵に対処するために大切なことは、顧客に何もしないことのマイナス効果を伝え、対処する必要性を教育するということです。
先ほどのプリンターの例だと「遅いプリンターで生産性が低下し、時給換算でも毎日こんなに損をしています」とか、「他の業務では生産性向上のため効率化を進めていても、プリンターがボトルネックになっているようではせっかくの努力が無駄になってしまいます」-とかです。
こんなコピーもこの教育の例です。「顎関節症は風邪やケガと違い、自然に治ることはまれで、むしろ放置することで悪化するケースがほとんどなのです。そして、多く知られていませんが、顎関節症は悪化すると、自律神経のバランスや、身体のバランスを崩す大きな原因となり、下記のような症状を引き起こす危険があります...」
いかがですか。実際に顧客のためになると思っても、顧客が行動を起こさなければ、永久にその問題は解決されることはありません。商品を売りたいからではなく、顧客のためを思って事実を伝えるのがポイントです。
次回以降、この続きのステップを説明していきます。
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