前回(10月22日付)は、「選択肢を比較評価する」と「購入先を選択する」というステップをご紹介しました。今回はちょっと視点を変えて、ついついやってしまいがちな間違いを一つ確認しておきたいと思います。
まずは以下の事例からみてみます。
「A社はできたての会計事務所です。ちょうど会社法施行に伴う最低資本金規制の撤廃に伴い、会社設立の需要が非常に増えました。さっそく無料相談やセミナーなどで顧客を集めて、毎日1社以上の速いペースで顧客を増やすことに成功しました。しかし、ふと気づくと、登記申請以外は何でも自分でやっていたせいか、寝る時間もない多忙な日々が続いており、従業員にも疲れが見え始めています。顧客数も十分だから、少しペースを落として一休みしようということになりました」
ここで何が問題かわかりますか?
不景気の世の中でも、うまく時流に乗ればこういったチャンスをつかむことができます。しかし、せっかくうまくいっているにもかかわらずマーケテイングをやめてしまう会社が非常に多いのは驚きです。競争の激しい世の中では、そう何度もチャンスをつかむことは困難です。今後このようなチャンスは何年もやってこないかもしれません。それにもかかわらず、安易に「もう十分」と思ってしまえば成長はそこまでで止まってしまいます。
そこで、もしこのペースでマーケテイングを続けるという前提で、物事を考えてみたらどうなるでしょうか。
例えば、現在の従業員を教育する、有能な従業員を新たに雇う、友人たちと共同事務所にして実務を分業する、業務効率を上げるためのシステム投資をする、国外の安い労働力を活用して単純作業を効率よく分業する-とさまざまなことが考えつきます。顧客のニーズを満たすという視点からいえば自分一人ですべてをしなければいけないというわけではないのです。
チャンスは、いつやってくるかはわかりません。きちんと準備を整えておくのはもちろんのこと、チャンスをつかんだ後に、ほどほどのところで満足してしまうのではなく、ちょっと先のことを考えつつ、走りながら次の準備を整えることも重要です。
新規顧客がどんどん増えて売り上げが上がるというのは、顧客がその商品やサービスを望んでいるためで、この流れを自ら止めてしまうことは絶対しないようにしましょう。
一度自ら流れを止めてしまうと、たとえ半年後に準備を整えて、もう一度流れに乗ろうとしてもすでに遅いということが多々あります。競争が激しい世の中では、必ず競合相手が現れるからです。
せっかくがんばってつかんだチャンスですから、このチャンスと他人の経営資源を有効活用してたくさんの顧客のニーズを満たしてあげてください。
若くてフットワークが良いスタッフを中心にお客様のサポートを行っています。 新しいことにどんどんチャレンジするスタッフが多く「それはできません」という仕事が少ないのが当社の特徴です。
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