前回(10月29日付)は、「顧客生涯価値を考える」という点を確認してみました。前回のB社は特に意識せずに顧客がリピート購入してくれたり、高額のサービスを購入してくれたりしていましたが、B社のように結果的にそうなっているときと、きちんと計算をしたうえで計画的に売り上げを作り出すのとでは大きな差になります。今日は後者の事例です。
「C社はインターネット通販を行っている会社で、ほかでは手に入らないちょっと変わった商品を扱っており、その魅力を上手に顧客に伝えることで売り上げを伸ばしてきました」
「しかし、インターネット通販ほどマネされるのが早い業界はないので、発売当初はバカ売れするものの、1カ月もするとほとんど売れなくなってしまうというのが悩みの種でした」
「それもそのはず、似たようなホームぺージや広告文、類似商品が出回り、安く売られてしまっているではないですか。こんなスピードで粗悪品を売られてしまうと、法的に対策をとっても後追いになってしまい、実際うまくいきませんでした。せっかくいい商品を作っているのに残念だということです」
今まで何度となくマネされてきたC社ですが、どうせマネされるからとあきらめの雰囲気が漂っていて、しまいには開き直っている社員も現れてきました。
そこでこんなアドバイスをしてみました。
「どうせマネされるのだったら、発売前にちょっと安い値段で予約を取っておいて見込み客には売り切ってしまい、発売後2週間の期間限定で数量も限定して販売してみましょう」
すぐさまこんな反論が来ました。
「でも、半年ぐらいは少しずつ売れるので、もったいないのではないですか」というのです。確かに少しでも売れるのがわかっていれば、それを失うのは怖いですし勇気がいります。しかし、視点を変えて購入者側の心理を考えてみると、なぜこんなアドバイスをしたかがわかります。
購入を検討している段階で、将来安く販売されるのがわかると購入をためらってしまいますよね。それが、いま予約すれば割安の価格で購入できるとわかれば心が動きます。
仮にそれを逃したとしても、2週間しか販売されず、数量も限定されているとなると、いま買わないと本当に商品がなくなってしまうので、まさに飛ぶように売れます。しかも、短期間に広告宣伝を集中させるのでコストが安いわりに、繰り返し目につくことで記憶に残りやすいということがわかりました。
まさに「限定」というキーワードが売り上げを伸ばした例です。
後日談ですが、残り時間や在庫数量を表示するようにして信憑性を高め、作りすぎて売れ残ってしまった商品は、別な商品を購入した人だけが購入できる「購入者限定割引」ということで売り切ってしまっているようです。まさに「限定」さまさまですね。
若くてフットワークが良いスタッフを中心にお客様のサポートを行っています。 新しいことにどんどんチャレンジするスタッフが多く「それはできません」という仕事が少ないのが当社の特徴です。
弁護士や会計士、税理士、司法書士、社労士、中小企業診断士、行政書士、ファイナンシャルプランナーと社内にほとんどの専門家が常駐していることから、本当に必要なサービスを一ヶ所で受けることができる便利さが喜ばれています。