人にはそれぞれ生活のリズムがあるようで、毎日遅刻ギリギリで出社する人もいれば、早めに会社に出勤して新聞でも読もうかという社員もいますよね。早く出社すれば、通勤ラッシュも避けることができますし、電車が遅れて遅刻しそうになることも避けることができますので一石二鳥かもしれません。
個人的に早く出社しているだけであれば何の問題もありませんが、多くの社員が早く出社するようになると様子が違ってきます。いつの間にか業務上の打ち合わせが始まったり、実際の業務すら始まったりするケースが出てきます。始業時刻は朝9時と決まっているものの、いったいどこからが労働時間なのかということが気になってきませんか。今日のケースはそんな始業時間の境目の事例です。
社労士「御社のタイムカードを見ると、毎週月曜日には全員午前8時30分までに出社していますね。他の曜日は遅い人もいるのに、月曜日の朝は何かあるのですか?」
A社長「うちは毎週月曜日に1週間の予定を発表して業務の調整をする打ち合わせをしているんですよ。この打ち合わせのおかけで月曜日からスタートダッシュができて業績も好調というわけです。それと、金曜日の午後6時からも、1週間の反省と来週の予定確認のために打ち合わせをしていますよ」
社労士「それらの会議は全員参加が強制される会議ですか?」
A社長「特別に上司の許可を得た直行直帰以外は全員参加が当たり前です。きちんと締めるところは締めていかないと、どんどんだらけていきますからね」
この事例を読んでみていかがでしょうか。ここまではっきりしていればみなさんも労働時間に該当すると思うかもしれませんが、実際このような会議をしていても「残業代を払わなければいけないんですよ」というとびっくりする会社があります。
労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいいます。就業を命じられた業務の準備行為などを事業所内で行うことを使用者から義務づけられ、またはこれを余儀なくされたときは使用者の指揮命令下に置かれたものと判断できます。
いくら多くの社員が早くから出社して新聞を読んでいるからといって、何か仕事を頼んだり、実質的に参加を強制する打ち合わせを始めたりしてしまえば早出残業を命じているのと何ら変わりません。きちんと早出残業として残業代を払う必要があるのです。
また、業務あるいは業務と不可分な行為が使用者の認識している状況下でなされ、使用者がこれを認めているような場合は、黙示の指揮命令による労働時間とされますので、残業代を払わなければいけないということになってしまいますから注意しましょう。
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