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フジサンケイビジネスアイ 特別コラボ企画

【労務管理の落とし穴⑨ 2カ月の有期雇用のメリット】

 業種にもよりますが、どうしても社員の入れ替わりが激しい会社があります。採用コストや教育コストもばかにできませんので、社員の定着率を上げる努力が何よりも重要です。

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 採用担当者の声を聞いてみると、面接で会社に合う人材を見抜こうと努力しているとのことですが、「人員不足のため早く採用しないと残業が限界を超えてしまうというプレッシャーが強く、多少難のある人も通さざるを得ない状況が続いている」とのことです。
 そのため、入社後に無断で遅刻や欠勤を繰り返したり、上司とケンカして突然退職してしまったりする事例が後を絶たず、その対応でさらに時間がかかってしまう悪循環に陥っているようです。試用期間の定めがあっても、実質的には機能していない様子です。
 このようなケースでも社会保険や雇用保険は、入社当初の試用期間のうちから加入義務があるため、会社も手続きやコスト負担が重荷になってきます。そこで、実際に働きながらお互いの適性を確認する期間が取れないか検討してみたいと思います。
 社会保険の加入義務は、労働時間や労働日数が、おおむね社員の4分の3以上あるかどうかで判断しますが、2カ月以内の期間を定めて雇用される者は、たとえこの要件を満たしても適用除外者となります。
 会社には、社員が会社の業務になじめるかを確認したいニーズがあり、社員の方にも業務が自分に合うかを見極めたいニーズがあります。会社にはコスト負担があり、社員の側も給与から社会保険料が控除されて手取りが減るという関係もあります。
 このため、お互いにきちんと合意したうえで、社会保険のかからない「2カ月の有期契約を活用してみる」のも可能です。もし、適性がなければ契約期間満了により自動的に退職となりますが、「お互いに大丈夫」であれば契約を更新して、期間の定めのない労働契約に変更することも可能です。社会保険料の負担はこの更新時から始まりますので、お互いにメリットも大きいわけです。

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 一方、雇用保険は、過20時間以上働く方で、31日以上雇用される見込みがあれば加入義務があります。30日以内にお互いの適性の見きわめが可能であれば、30日の有期雇用契約を検討することも可能です。
 しかし、実際に活用する際、新入社員全員がこの方式で有期雇用となると、実質的には試用期間と変わらなくなってしまい、「最初から社会保険などに加入してください」となる場合が出てきます。また、優秀な社員を雇う際の足かせにもなりかねませんので、試用期間を使う以前の制度も残しておくことが必要です。
 実際に働いてみることで、面接ではわからなかったことがお互いに分かり合えますので、業種によっては労使共にメリットのある制度になり得ます。

アストラット株式会社

 若くてフットワークが良いスタッフを中心にお客様のサポートを行っています。 新しいことにどんどんチャレンジするスタッフが多く「それはできません」という仕事が少ないのが当社の特徴です。
 弁護士や会計士、税理士、司法書士、社労士、中小企業診断士、行政書士、ファイナンシャルプランナーと社内にほとんどの専門家が常駐していることから、本当に必要なサービスを一ヶ所で受けることができる便利さが喜ばれています。

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