有給休暇の申請書に取得の理由を書く欄があることが多いと思います。「親が上京するため」とか「電気工事立ち会いのため」など、上司としても仕方ないかというような理由を書く人もいれば、「私用」としか書かずに平然と申請する人もいます。
うそを書くのもちょっと気が引けるものですが、かといって「彼女とデートに行くため」などとバカ正直に書かれても困ってしまうので、遅刻の理由と同様にちょっとした大人のセンスが必要になってきます。今回は、そのあたりで生じたある疑問です。
Aさん「課長、来週火曜日に有給休暇を取得したいので、よろしくお願いします」
B課長「取得はかまわないけど、理由が書かれていないじゃないか。申請書なんだからちゃんと記載してくれないと困るよ」
Aさん「それはプライベートなことなのであえて空欄にしました。そもそも休暇の取得は自由なのに、なぜ理由を書かなければいけないのですか?」
B課長「・・・そんなこと人事に直接聞いてくれよ!」
いかがですか。皆さんはどう思いますか? 年次有給休暇は原則として自由に取得できますので、Aさんの主張にも一理あります。それでは、なぜ、有給休暇の申請書に理由を書く欄がわざわざ準備されているのでしょうか?
もし、たくさんの社員が同じ時季に有給休暇を取得したとすると、人手不足で正常に会社の業務を行うことが難しくなってしまいます。
そこで、会社にも「請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることが出来る」という「時季変更権」が認められています。
例えば、1人休むのであれば正常な運営ができるが、2人になると電話番が誰もいなくなってしまうなど、問題が発生するような会社で、2人同時に有給休暇を申請してきたらどうでしょう。「2人ともダメ」という代わりに、「時季を変更することが難しい人を優先的に扱う」などの配慮が可能です。その判断材料にするために理由欄があるのです。
そうしますと、社員がうその理由を書いたり、理由を書かなかったからといって、会社の時季変更権の行使がこれによって左右されるなどの特段の事情がない限り、非難されるいわれはないわけです。もちろん、どうしても動かせない用事があるとうそをついて、本当に外せない用事がある他の社員の有給休暇取得ができなくなってしまうことはあってはなりませんが、今回のように、そもそも取得自体はかまわないということであれば、空欄のまま認めても差し支えないケースです。
もちろん、上司にいらぬ配慮をさせないように、事前に他の社員と調整してから申請するなど、ちょっとした気遣いをするくらいの対応は社会人として身につけておきたいところです。
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