給料が安いにもかかわらず、文句一つ言わずにがんばって働く有能な社員がいてくれるととても助かるものです。しかし、そんな優秀な社員の活躍にあぐらをかいてボーっとしているとこんなことが起きかねません。皆さんの会社は大丈夫ですか?
税理士「社長、どうも決算の直前に仕入れたA商品ですが、数日でほとんどなくなってしまっています。棚卸し表の在庫数のカウントが間違ってませんか?」
社長「A商品は高いので、キッチリ数えていますよ。確か今期はまだ出荷していないので、先月仕入れた1箱と期末の残りがあるはずですが...あれ、ないですね。Bさん、A商品が1箱あるはずなんだけど、どこにいったか知らないか?」
社員B「いえ、知りません。営業担当者が持っていったんですかね。ちょっと聞いてきます」
税理士「こんな高い商品を営業担当者が勝手に持ち出せる仕組みはまずいですよ」
社長「済みません。うちみたいな小さな会社だと、管理が行き届かなくて」
その後、税理士の指導もあり社内の調査を進めていくと、納品書に押されている担当者のはんこが微妙に違っているときがあることがわかりました。しかも、そのときに限って商品がなくなっているようなのです。納品した業者の話によると、在庫の管理をしているBさんが代理で受け取ることがあるとのことで、その納品書を集計してみると4年間にわたり890万円分も商品がなくなっている計算になります。
このような調査を進めている矢先、Bさんが突然出社しなくなり、携帯も、メールもすべて連絡が取れなくなってしまい、心配になった社員が自宅に行ってみたところ、もぬけの空だったということです。
いかがでしょうか。社員を疑えというわけではありませんが、もし、社員が悪いことを考えた際にそのまま実行できてしまう仕組みになっているとすると非常に危険です。
特に、仕事ができる有能な社員には重要な仕事が集中しやすく、その人しかわからない仕事が多くなってしまいますので危険です。最初のうちは少ない給料の代わりと思ってのことしれませんが、誰も気づかないことがわかってくると、どんどん犯行がエスカレートしていってしまったのです。
その後警察からBさんが捕まったという報告がありましたが、買い取り業者に二束三文で買いたたかれていたようで、手元にお金はほとんど残っていなかったそうです。もちろん悪いのはBさんでしょうが、会社の管理の甘さが招いた犯行ともいえます。
複数人でチェックする体制や、定期的な担当者変更、一定期間の休暇を取る仕組みなどさまざまな対策が考えられますが、定期的にどういった潜在リスクがあるかの検討が必要です。
若くてフットワークが良いスタッフを中心にお客様のサポートを行っています。 新しいことにどんどんチャレンジするスタッフが多く「それはできません」という仕事が少ないのが当社の特徴です。
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