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フジサンケイビジネスアイ 特別コラボ企画

【労務管理の落とし穴(41) 暇だからパートは帰って!】

 いつもならお客さんがたくさん来るのに今日はなぜか暇、ということもあります。飲食店のパートさんたちが手持ちぶさたの状態だと、コスト管理を任されている店長さんは気が気ではありません。今回は何とか損失を防ごうとした、ある店長さんの行動が裏目に出てしまった例です。

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 店長「今日はもうお客さんが来ないみたいだし、みんな上がっていいですよ」
 パート「店長、このところ早上がりばかりで給料も減ってしまいます。私たちのせいじゃないのに、このままじゃ生活できません」
 店長「そう言われても、社員と違うので仕事がないのに給料を払うわけにはいきません。そのためのパートなんですから、あきらめてください」
 パート「契約には一日6時間、週4日と書かれているのにおかしいじゃないですか。きちんと働きますからお給料を払ってください」
 店長「本部の予算も厳しいのに、そんな余裕うちにはありません!」
 いかがでしょう。かなり険悪なムードですが、皆さんならどうしますか。労働契約で労働時間が決まっていて、労働者が労働を提供できる状態で待機しているのであれば、たとえ手持ち時間であっても給料の支払いが必要になります。しかし、労働契約や就業規則で労働時間を変更できる旨の定めがあれば延長や短縮などの変更も可能です。今回は労働時間を変更ができる旨の定めがなかったことから問題になりました。しかもパートさんたちも生活がかかっているため必死で、回答次第では全員やめるくらいの覚悟のようです。
 労働契約時や更新時期などに個別に合意していくとか、就業規則を変更する方法もありますが、そんな余裕もなさそうです。

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 困った店長さんは、親しい他の店の店長さんに相談したところ、「うちは、暇なときは全員呼び込みや割引券の付いたチラシのポスティングをしているよ」といわれたのです。コストの削減しか考えがまわらなかった若い店長さんですが、素直に自分の非を認めてパートさんたちとよく話し合ったところ、「割引券を使った人の住所情報が保存されているので、ダイレクトメールを出してみよう」とか、「みんなで挨拶をしたり、お客さんの名前を覚えたりしてサービスレベルを上げよう」「競合店の調査をして、はやっている店の秘訣を盗んでこよう」―などなど、たくさんアイデアが出てきました。
一時は全員退職が危ぶまれたお店ですが、自分たちのアイデアが成果に結び付くのがおもしろくなってきたのか、パートさんたちがやる気を出してお店に活気が戻り、売り上げも回復してきました。「今度のボーナス時期には多少ですがパートさんにもボーナスが出せそう」とのこと。全員退職されたら大赤字になるところでした。

ユナイテッド・アドバイザーズ法律会計事務所

 若くてフットワークが良いスタッフを中心にお客様のサポートを行っています。 新しいことにどんどんチャレンジするスタッフが多く「それはできません」という仕事が少ないのが当社の特徴です。
 弁護士や会計士、税理士、司法書士、社労士、中小企業診断士、行政書士、ファイナンシャルプランナーと社内にほとんどの専門家が常駐していることから、本当に必要なサービスを一ヶ所で受けることができる便利さが喜ばれています。

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