会社で外部の取引業者と取引をしていると、ちょっとした接待を受けた際にお土産をもらったりすることも出てきます。
会社公認で、かつ複数人で参加している場合は大きな問題になることは少ないと思いますが、業者との関係が強まるにつれエスカレートすることもあり得ますので注意が必要です。
社員間の給与のバランスもあり、大幅な昇給が望めない社員にとって、自分がほしいものを取引先がプレゼントしてくれるのであれば、実質的に昇給したのと同じことです。
他方、取引先からしても、大口契約を切られてしまったり、厳しい値下げ要求など受けたりすることを考えると、担当者に多少の「便宜」を図ったところで、コストとしても安くつくことが多くなります。このような利害関係がうまく結びついてしまうと、会社としては厄介なことになります。
公務員や大企業では、取引先から担当者が直接謝礼などを受け取ったりすることを禁止していることも多いと思います。しかし、多くの中小企業ではこのようなルールをそもそも定めていなかったり、リスクのある項目として認識すらしていなかったりするケースが多々あります。
もし、明確なルールがないまま、ちょっとした謝礼などを受け取ることを認めていたりすると話はやっかいになります。
最初のうちは数千円程度の金券から始まったとしても、大きな取引が決まる都度、金額が増え、そこに魅力を感じた社員が、本来値下げ交渉をしなければいけないにもかかわらず、交渉をしなかったり、他社と同じ品質で価格も安いのに、同じ業者との取引を理由もなく継続してしまうことなどを通して、本来会社が得られる利益を取引業者に流出させ、その一部を謝礼として受け取ってしまうことにもつながります。
場合によっては刑法上の背任罪(刑法247条)に該当する犯罪になってしまいます。
しかも、謝礼を受け取ることを以前から会社が公認していたとか、就業規則の懲戒事由に入っていなかったとすると、そもそも懲戒処分が難しくなってしまい、経営者が知らないうちに「やったもの勝ち」の文化ができあがってしまうので注意してください。
このようなことが起きないように、きちんと社員に教育したり、どうしても謝礼を固辞できないときは、会社に警告するように徹底しておくことが重要です。
もちろん、就業規則で業務に関連して不当に金品受け取ることを禁止する規定を設けたり、会社に報告する義務を設けたりすることも忘れないようにしましょう。
また、定期的に担当者を交代させるなどのローテーションを導入したり、複数の業者から、相見積もりをとることを徹底しておくと、予防に効果的です。
若くてフットワークが良いスタッフを中心にお客様のサポートを行っています。 新しいことにどんどんチャレンジするスタッフが多く「それはできません」という仕事が少ないのが当社の特徴です。
弁護士や会計士、税理士、司法書士、社労士、中小企業診断士、行政書士、ファイナンシャルプランナーと社内にほとんどの専門家が常駐していることから、本当に必要なサービスを一ヶ所で受けることができる便利さが喜ばれています。