PERと資本政策
弊事務所のHPのコラムにてPERの話をしましたが、「PERって一体何なの?」という読者の方もいらっしゃると思いますのでここで簡単に説明させていただきます。PERとは、株価収益率(=1株当り株価÷1株当り利益)のことで、会社の利益にこのPERを乗じればその会社の時価総額を計算できる、というシロモノです。
上場準備会社は資本政策(上場までの直接金融による資金調達及びその資金の活用方法を決める財務戦略)を作成することになるのですが、この資本政策で上場時どの程度の株価がつくのかを予想するのにこのPERが用いられます。上場時の予想1株当り利益(上場時の利益÷発行済み株式総数)にPERを乗ずることで予想株価が求められます。
PERは上場準備段階ではすでに上場している類似業種の企業のPERを参考に決定されますが、どちらかというと簡便的な株価予想方法といえます。他に主幹事証券会社が用いる株価予想方法としては類似業種批准方式(事業の種類、規模、収益の状況などが類似する他の会社の株価がある場合、その類似会社の株価等からその会社の時価を推定する方法)があります。