会計税務戦略のゆくえ
受難続きの米国経済でありますが、会計や税務の分野においてもそれは例外ではないようです。次はオフショアによる課税回避、ストックオプションでの節税、SPCを利用したリース取引等々において租税回避の観点より企業不祥事が浮上してきそうな気配があるとのことです。会計は事業結果の表現であり、税務は会計を土台とした税金徴収のための仕組みなのであっていずれも事業そのものではありません。 よって本業で収益を上げるのとは異なり解釈が違えば白が黒になる可能性を常に秘めているものであり、会計や税務を戦略の一環として捉えるのは多少はともかくもやりすぎた場合その企業の信用を一挙に失墜させる恐ろしいものになります。国際会計基準委員会(IASB)ではサブプライム危機を受け市場性が不明な場合の公正価値に関する測定並びに開示につき会計基準の内容更新を急いでおりますが、いくらルールを明確にしてもそれが生かされるかどうかは会計に携わる人間の良識に関わってくるものであり、取引は相手があってはじめて成り立つものですが会計・税務は一企業内で完結してしまうものであることを(私自身も含め)肝に銘じてほしいものです。