やはり存在していた粉飾決算
多忙にかまけて暫くブログの更新を怠っておりました。申し訳ございません。
米国金融危機により大手金融機関の経営破たんが相次いだのは記憶に新しいところですが、現在知りえているところではAIG生命においてやはり粉飾があったようです。サブプライム関連の損失について過少に計上していた疑いがあるということで、経営者が取調べを受けているとのことです。
大手会計事務所の監査では財務諸表監査においては無限定適正意見であったものの内部統制監査ではサブプライム関連の金融資産・負債の評価過程につき「重大な欠陥あり」としていたようで、まさにその内部統制の脆弱性が原因で粉飾が行われていたことになります。
内部統制監査で「重大な欠陥あり」とされていたのも驚きですが(日本で言えばN生命やM生命のような業界を代表する保険会社の内部統制に「重大な欠陥あり」とされたような感じにになります)財務諸表監査では「無限定適正」とされていたのも驚きです。いったいこれはどういう意味なのでしょうか。
SOX法の導入により米国における会計監査の過程も従来より相当複雑になったものと思われますが、かえって投資家の理解を困難にさせる状況が生まれてしまっているのではないかと思います。というより、このような状況になるとどこか監査の逃げ道を作っている(財務諸表監査の「無限定適正」でクライアントとの関係を保ちつつ内部統制監査の「重大な欠陥」で投資家に警告を発している)ような気がしないでもありません。
監査結果を利用する投資家保護という本来の目的を適切に果たすためにも、このような意見表明は今後なくなっていく方向に向かってくれれば、と思います。そうでないと将来的に「監査などやってもやらなくても同じ」という恐ろしい結論になることも十分ありうると思います。
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