傷害保険のコスト増にお悩みの経営者の方へ
◆傷害保険の現状◆
「従業員の福利厚生」または「労災の法定外補償」。
このような目的で傷害保険をかけている会社さんは
多いのではないでしょうか。
皆様の会社では如何でしょうか。
従業員を被保険者(保険の対象となる人のこと)とし、
会社が契約者(保険料負担者)となる場合、
保険料が損金として認められることも、
傷害保険を採用しやすい理由のひとつでしょう。
◎傷害保険の課税関係一覧
http://www.hoken-joho.co.jp/houjin/2008/09/post_109.html
目的が福利厚生であれ、労災の上乗せであれ、
原則として従業員全員に傷害保険をかけることになるわけですが、
人数が多いと当然ながら保険料が膨れ上がってしまいます。
※入社3年を経過して以降の者のみといった客観的な基準で、
全員としないケースも多くあります
特に目的が「労災の上乗せ」である場合、
労災の対象者は正社員のみならず、
パートやアルバイトといった人たちにも及ぶわけですから、
人数はますます多くなってしまうでしょう。
※「労災の上乗せ」にパートやアルバイトを
必ず含めなければいけないということではありませんが、
災害補償規定などの明文化したルールがない場合、
正社員との間に差異を設けることは、
会社にとってリスクであると言えます。
◆雇用の多様化に対応するには?◆
現在は働き方が多様化しており、
会社もそうした状況をうまく活用することが、
経営上の工夫にもなります。
ところが傷害保険に加入する際の基準が人数しかないとしたら、
こうした社会の動きに沿っているとは言えません。
1日に8時間働く正社員も「1人」、
1日に2時間だけパートタイマーとして働く人も「1人」。
パートタイマーを多く活用している会社の立場に立てば、
どうもしっくりこない話です。
「人数」以外に傷害保険の保険料を算出する
合理的な基準はないのでしょうか?
ここでもうひとつ、会社が掛ける目的ならではのポイントがあります。
これは目的が「労災の上乗せ」の場合になりますが、
それは「仕事中」のみが保険の対象になればいい、補償されればいい、
ということです。
つまり基準となる「企業活動の大きさ」は、
ある程度、「働く人たちの数」と「ボリューム(量)」が
結びつくのではないか、という考えが出てきます。
この「企業活動の大きさ」を示すものの一つが「売上高」になりますが、
つまり同じ業種であれば売上高1億円の会社より10億円の会社の方が、
「働く人」の「ボリューム(量)」は多いであろうということです。
◆そこで売上高方式の傷害保険という考え方◆
こうして今、各保険会社では、
売上高(賃金総額や請負金額などを基準にする場合もあります)で
保険料を算出する傷害保険を発売しています。
元々は建設業のニーズに応える形で開発された傷害保険ですが、
今では他業種まで対象を広げている場合がほとんどです。
この「売上高方式の傷害保険」の最大のメリットは、
会社の業務に携わっている間は全ての人が
その立場(正社員、パートなど)に関わらず保険の対象になることです。
※ただし派遣社員は含まれない場合が多いです
労働集約型ではなく比較的少人数で売上を挙げる業種の場合は、
従来通り人数を基準にした方が有利になるケースが多いと思われますが、
パート、アルバイトを多く活用している会社の場合は、
一度売上高方式への変更をご検討されては如何でしょうか。
「売上高」という新しい観点で保険加入を考え直すと、
思わぬ効果があるかもしれません。
◎一口に従業員の保険といっても・・・
http://www.hoken-joho.co.jp/houjin/2007/10/post_37.html
(法人コンサルティング部 小鳥秀明)