売上原価って何だろう?
商品の売上金額から,その原価の金額を引き算すれば粗利益が分かります。
会計用語を使うと,次のようになります。
売上高-売上原価=売上総利益
「そのくらいは分かっている!」と怒られそうですが,もう少し読んで下さい。
当期の売上原価の計算式は次の通りです。
当期の売上原価=期首棚卸高+当期仕入高-期末棚卸高
また当月の売上原価なら次のようになります。
当月の売上原価=月初棚卸高+当月仕入高-月末棚卸高
この計算式は,会計の初心者にとっては何のことか分からないかもしれません。次の表をご覧ください。
当社は3月決算の法人とします。上記は,当社が当期に販売した全商品の一覧表と思ってください。当期の販売商品を日付順に並べたものです。ですからこの表の上の方に記載されているのは期首早々に販売した商品ですし、下の方に記載されているのは期末近くになってから販売した商品です。
さて、期首の在庫商品は当期になってから販売されているでしょうから、この表に出てくるはずです。つまり当期の売上原価を集計するときには,「当期仕入高」だけではなく,「期首の在庫商品」(期首棚卸高)も加えなければなりません。
それでは,「売上原価=期首棚卸高+当期仕入高」となるでしょうか。
いいえ違います。なぜなら当期の終わり頃に仕入れた商品は当期中には販売できずに,翌期に持ち越していることでしょう。当期仕入高の中で翌期に持ち越した商品,つまり「期末の在庫商品」(期末棚卸高)は,当期に販売した商品ではありませんから,この表には出てきません。つまり売上原価には含まれないのです。
そのようなわけで,「売上原価=期首の在庫商品+当期仕入高-期末の在庫商品」となります。