最近直樹にはまっている私
なんて言ってもそれだけではなんのことか。さっぱりという向きの方に。
ヒントをひとつ。
○○○少年原作者、漫画家。
ピンときたあなたは、映画通それとも漫画通?
そう浦沢直樹といえば、私ぐらいの年代(秘密です)なら"YAWARA"でしょうか。
あの谷(田村)亮子選手が柔道で華々しい活躍を見せ始めた頃だと思います。
その頃って実はものすごく少年漫画が隆盛の時代で、鳥山明(「Dr.スランプ」「ドラゴン・ボール」)さん,原哲夫「北斗の拳」さん、車田正美(「リングにかけろ」「聖闘士星矢」)さんなど今でも
きらきらと輝いている作品があったころです。
そんな中出てきた浦沢さんの漫画はどちらかといえば、小さい頃から祖父に鍛えられた少女が強くなっていくという至極当たり前のスポ根漫画だったと記憶しています。(私自身がそれしか知らなかったので)
ところがどっこい、そんな思い込みは大人になってから見事に覆されました。というのもそこから先、彼が発表した作品を目にすることになったからです。むしろ最初からそうした方向に進みたかったのかもしれませんね。
イギリス特殊部隊の経歴をもつ考古学者としての大学講師キートン先生が難事件とぶつかる「MASTERキートン」、さらにはベルリンの壁崩壊後に起きた次々と起きる殺人事件を描いたサイコスリラー「MONSTER」そしてご存知子供時代に描いた本が大人になってから現実化していく様を描いた「20世紀少年」。どれもこれもストーリーの練り方が重厚でなにか歴史小説を読むかの如き味わいを感じさせてくれます。
これはもう漫画とはいえません、これは大人世界でも十分通用する「MANGA」といえるのではないでしょうか。
もちろん先ごろ公開された映画版20世紀少年の最終章も見させていただきました。ともだちの正体は誰かが本編の注目部分ではありましたが、映画としても十分よい出来だったので原作ファンも納得いくものになっていると思います。そこはドラゴンボール・エボリューションとの大きな違いかも。
浦沢さん、現在連載中の「BILLY BAT」も含めてこれからも大人にも読ませるものを期待しています。