IFRSとは??
本日はちょっとだけ難しい話を少々。
ここ最近よく耳にするIFRS(イファース)そしてコンバージェンスという言葉。
一体なんのことでしょう。
長い言葉ですが、International Financial Reporting Standards(国際財務報告基準)の略称です。
そしてコンバージェンス。これは会計基準の世界的な統一を図っていきましょうという会計世界における一元化志向を指します。
一口に統一化とはいっても、そんなもんルールを変えてそれに従えばいいのではといった簡単なものでもありません。なぜなら会計のルールを変えることによって様々な問題が出てきてしまうからです。
赤字だった企業が黒字になったり(余り多くはないですが)、今まで黒字だった会社が大幅に赤字になったり、多くの業務システムはすべてコンピュータ化され業務フローと一体化した形で会計書類も作成されるため、こうした組替え作業が言葉で言うほど簡単ではなく膨大な事務作業コストがかかる点や企業に資金を預ける投資家が従来見ていた資料とどこがどのように違うのかを理解させることが困難であることすなわち期間比較可能性というものを損なってしまう危険性が生じてくる点など。
主に米国やヨーロッパが主体となって進めている感のあるコンバージェンス議論ではあるものの多くの国際企業を有する日本にとってもこの時流に乗らなくては、国際社会から取り残されかねないほどの大きな問題でもあります。自国において長い年月をかけ醸成してきた会計の土壌ももちろん重要ではありますが、国際社会で常にその位置を確保するためにも議論から外れるわけにはいかず、国際会計基準に相応しいものを作り上げるため積極的な発言の場に立っていかなくてはならないでしょう。
その中でももっとも大きな変更点が取得原価主義から時価主義への流れでしょうか。今までは一部の資産・負債などに取り入れられたにすぎない時価測定・評価という作業がほぼ全域(資本すなわち純資産部分も含む)にわたり網をかけていくようなイメージでしょう。
去年作った工場は今年いくらで売れるのか、あるいは数年後不要となった時に整地・廃棄処理にかかる費用は現時点どれほど準備しておくのか、今保有している為替や有価証券などはどの程度の価値があるのだろうか。
時価測定ができるものは全て行なう一方、範疇に入れられない営業力・特許権など無形資産の評価など本当のところバランスが取れているのかといった意味での矛盾は数多くあるようです。それでも歩みを止めることなく、大きな変化の波が既に始まっています。