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「名ばかり管理職通達への憂慮」について

ビジネス法務2008年8月号に石嵜信憲・上屋真也両弁護士が連名で、「名ばかり管理職通達への憂慮」と題する一文を載せています。

平成20年4月1日付で、厚生労働省労働基準局監督課長名で都道府県労働局長宛に出された通達「管理監督者の範囲の適正化について」(基監発第0401001号)を批判しています。

先のマクドナルド判決は、あくまでも民事に関する未確定の判決(高裁に控訴されています)であるにもかかわらず、上記のような通達を発し、さらに同判決への世論の反響を利用して、労働基準法本来の規定を無視した行政指導を行うことは労働刑法である労働基準法の運用のあり方として妥当とは言い難いということ。

我が国では、「何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。(憲法31条)」と罪刑法定主義が規定され、その派生原則として、刑罰の適用範囲を広げる類推解釈は禁止されています。行政指導に関しても、刑事罰を背景としている以上、類推解釈が禁止されるべきものです。

そもそも労働基準法立法の段階では「監督の地位にある者」と「管理の地位にある者」とは別扱いされていた(条文上「監督若しくは管理」と規定されていることからも当然です)にもかかわらず、通達が管理監督者として、一緒くたにしているのはおかしいということ。

立法段階では賃金面の基準を明確に否定していたにもかかわらず、昭和63年に突如として出された「賃金等の待遇面においても無視し得ない」と立法意思を無視した通達は妥当ではないということ。

労働基準法の適用範囲は事業場単位であるので、経営者との一体性については事務所・事業所単位での一体性があれば足り、経営全体との一体性など求めるべきではないということ。

昭和22年、63年に出された通達が示す解釈は、立法意思及び労働基準法の文言以上に「監督若しくは管理の地位にある者」の範囲を限定したもので、行政指導も、この通達に従って行われてきました。

通達が示してきた解釈は、労働基準法37条(割増賃金)違反などによる可罰範囲を拡大するものであり、罪刑法定主義の観点からして間違ったものであると言わざるを得ない、としています。

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