松下プラズマディスプレイ事件高裁判決、石井妙子弁護士も批判
安西愈弁護士に続いて、石井妙子弁護士も「黙示の労働契約が成立していた」とする松下プラズマディスプレイ事件高裁判決を労働新聞紙上で批判しています。
曰く、請負代金から利益を控除して賃金が支払われているとして、実質的に元請が賃金を支払っているのも同然だとするのは、いささか乱暴な論議である。
業務委託が職安法44条に違反するとしても、それだけで下請会社との雇用契約が公序良俗に反し無効で、真実の雇用関係が元請との間に成立するとは言えないとするのが、従来の判例傾向であった。
下請企業との間に雇用契約が締結されている限りは派遣法の問題で、職安法に抵触するものではないとの見解が有力である。
以上のように、使用者側弁護士からは批判の多い判決ですが、石井弁護士は「従来の判例傾向からは外れるものだが、偽装請負が社会問題化し、格差社会の是正が求められている点から踏み込んだ判断と評価すべきものかもしれない」と一定の評価をしているようです。
判例も時代とともに変化します。さて、最高裁の判断はどうなるのでしょうか。
以上のような労働裁判例は使用者側の弁護士が毎週タブロイド判1ページを割いて解説しています。労働問題や法改正の最新情報に関心のある弁護士、社労士、企業の人事労務担当者、労働組合の方などに役立つ情報満載の労働新聞は下記より3ヶ月無料で試し読みできます。
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