トップページ
税理士 会計士 行政書士 司法書士 社労士
弁護士 弁理士 中小企業診断士 経営コンサルタント 保険代理店
HOME > 社労士 > 小林事務所 > ブログ > 規制改革会議「中間とりまとめ」に対する厚生労働省の反論

規制改革会議「中間とりまとめ」に対する厚生労働省の反論

去る7月2日の規制改革会議において、「中間とりまとめ」が公表されました。厚生労働省は医療分野、労働分野、官業改革のそれぞれについて規制改革会議の主張と、これに対する厚生労働省の考え方を整理し、公表しています。

ここでは、労働分野について規制改革会議の主張と厚生労働省の考え方を少しまとめてみたいと思います。

1.労働者保護に関して
規制改革会議:「真の労働者保護は規制の強化により達成されるとは限られない」
厚生労働省:「労働者と使用者との間には交渉力の格差があること等から、労働分野においては、一定の規制を行い労働者の保護を行うことが必要である」

2.派遣規制に関して
規制改革会議:「労働者派遣法を、臨時的、一時的な受給調整制度として例外視する法律から、派遣が有効活用されるための法律へ転換し、派遣受入期間の制限、雇用申込義務、派遣業種の制限や紹介予定派遣の派遣可能期間の制限等について再検討すべき」
厚生労働省:「労働者派遣制度は臨時的・一時的な働き方である。派遣受入期間の制限撤廃を、製造業に限って脱法行為を救済するかのような主張は不適切」

3.労働時間規制に関して
規制改革会議:「画一的に労働時間の上限を規制することは、自律的で自由度の高い柔軟な働き方を望む労働者の利益や働き方を放棄させることとなる」
厚生労働省:「労働者の健康の確保と仕事と生活の調和を図るために、長時間労働を抑制するための労働時間規制は必要である」「一定の要件のもと時間外労働を認めているため、画一的な労働時間の上限規制とはなっていない」

4.パータイム労働法に関して
規制改革会議:「パートタイムの待遇改善は使用者側にとってコスト増大につながる」
厚生労働省:「事業主にとってのコスト増大にのみ着目した調査分析に基づいて検討することは適切ではない」

5.最低賃金に関して
規制改革会議:「最低賃金引き上げが本当に格差是正と労働者の保護を可能にするのかどうか検討する必要がある」
厚生労働省:「最低賃金の水準は、「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を満たすべき」等の観点から設定されるべき」「現行制度においても、「労働者の生計費」、「労働者の賃金」、「通常の事業の賃金支払能力」を考慮し、毎年適切に決定されている」「現在、中小零細企業労働者の労働条件を向上させるべく、大企業による下請けたたきの問題への対応等と併せ、政府と労使が一体となって取り組んでいる

6.解雇規制に関して
規制改革会議:「厳しい解雇規制は、雇用の流動性低下と失業の長期化を招き、若年者・高齢者・女性・長期失業者の就職を困難にし、生産性を低下させる傾向にある」「判例頼みから脱却し、解雇権濫用法理の緩和を検討すべき」
厚生労働省:「解雇等について必要な制度を整備し、労働者保護を図るべき」

7.雇用保険制度に関して
規制改革会議:「「週所定労働時間20時間以上、1年以上の雇用見込みがある者」とされている雇用保険の一般被保険者の適用要件を拡大すべき」
厚生労働省:「安易な雇用保険の適用拡大は、不安定な雇用である非正規労働などの安定した雇用につながらず、むしろこうした働き方を固定化してしまうおそれがある」

 

詳細は以下をご参照ください。
規制改革会議「中間とりまとめ」に対する厚生労働省の考え方(平成20年8月12日:厚生労働省)

この記事をソーシャルブックマークやミニブログへ登録・共有する

« 前の記事へ | トピック一覧へ | 次の記事へ »

アーカイブ

最近のエントリー

このページのトップへ