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派遣法見直し案、再まとめ

厚生労働省の「今後の労働者派遣制度の在り方に関する研究会」は、労働者派遣法見直し案を作成しました。

7月29日にも投稿したところではありますが、以下再度まとめてみたいと思います。

現状及び課題

  • 派遣には労使双方のニーズがあり、労働者が派遣を選択する理由には積極的な理由と消極的な理由がある。
  • 偽装請負や日雇派遣における違反事案が顕在化。登録型派遣については、雇用の不安定、正規労働者との格差が問題である。
  • 労働者派遣は一定の機能を果たしている反面、雇用の安定、待遇の改善、違法派遣の対処といった点に課題がある。

制度検討に当たっての基本的視点

  • 労働者派遣制度の在り方は、常用雇用代替防止を前提とし、臨時的・一時的な労働力の需給調整システムとしての制度の位置付けは維持し、派遣労働者の様々なニーズに配慮したものとなるようにする、との視点を基本とすべき。
  • 事業規制の強化は必要なものに止め、派遣労働者の保護と雇用の安定を充実させる方向で検討することが望ましい。

日雇派遣

  • 日雇派遣労働者保護の観点から原則禁止を検討すべき。
  • 禁止対象範囲は、危険度が高く、安全性が担保できない業務、雇用管理責任が担い得ない業務は禁止対象とすべき。
  • 専門業務等は、労働者側に交渉力があるため、日雇形態が常態化しているものは禁止する必要がない業務もある。
  • 禁止業務は具体的な範囲の検討が必要である。
  • 雇用契約の期間は現行の指針(日々又は30日以内)等を参考に具体的に検討することが必要。

登録型派遣

  • 登録型派遣を望む労働者が多くいること、就業機会を迅速に確保できる等考慮に入れると、禁止は不適当。待遇改善や常用型派遣への転換等を促進することが適当。

常用型派遣

  • 有期雇用を反復更新している者も含まれてることから、「期間の定めのない」ものとして再整理した上で、常用型派遣へ誘導していく仕組みを設けることが適当。

個別の制度の在り方

  • 派遣先労働者との均等・均衡待遇は、現状では導入すべきではない。
  • 派遣元事業主に待遇改善に係わる努力義務を、派遣先には当該改善への協力に係わる努力義務を課すほか、情報公開、待遇の説明義務を通じて待遇の改善を実現していくべき。
  • マージンを規制することは、教育訓練費を減らすインセンティブになりかねない。
  • 派遣料金、派遣労働者の賃金等の情報公開を法律上明確に義務付ける
  • 派遣労働者のキャリアパスを考慮に入れた適切な教育訓練、就業経験について配慮すべき。
  • 登録、募集又は雇用契約の締結にあたり、待遇決定の方法等について、説明を義務付けることが適当。
  • 派遣先の災害防止責任が反映されるよう、現行の労災保険制度の見直しを検討すべき。
  • 労働者派遣制度は常用雇用代替防止制度である、との機能は維持すべき。
  • 登録型派遣については、事前面接規制の対象からはずすことは不適当。
  • 常用型派遣については、事前面接による特定を目的とする行為を可能としても差し支えない。
  • グループ企業派遣は一定割合(例えば8割)以下とする。また、解雇等の後一定期間は元の企業への派遣を禁止すべき。
  • 適用除外業務への派遣、期間制限違反、偽装請負等の場合には、雇用契約義務を行政が勧告する、又はこれと雇用契約申込義務を生じさせることを組み合わせる方法を中心に検討すべき。
  • 派遣先の法違反に対しては、勧告・公表に係わる指導前置を廃止し、悪質な派遣先に対してより強力な是正指導を発動できるようにすべき。
  • 労働者派遣事業の許可要件・欠格事由に関しては、悪質な派遣元事業主が処分を逃れることがないよう、欠格事由を整備すべき。
なお、詳細は以下をご参照ください。
「今後の労働者派遣制度の在り方に関する研究会報告書」について:厚生労働省

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