正社員と非正社員との間の「働き方の壁」引き下げを提言:労働市場改革専門調査会
政府の経済財政諮問会議に置かれた労働市場改革専門調査会は、第4次報告(案)をまとめました。
問題の所在として、90年代初めからの経済停滞の長期化の中、非正社員比率の高まりと、その固定化が進行。
そして、非正社員の属性が変化(世帯主の非正社員が増加)することにより、年功賃金等による「正社員」と「非正社員」との処遇格差が大きな社会問題となるとともに、働いても生活を支え切れない不安定就業者の問題も顕在化。
政策の方向性として、正社員と非正社員との「働き方の壁」を是正するとともに、セーフティーネットの整備が必要、としています。
具体策は以下の通り。
1.短時間正社員制度の促進
- 正社員と賃金決定方式は共通しているが、労働時間が短い「短時間正社員」制度の導入促進
2.非正社員の雇用安定化
- 有期労働契約における「雇止め」ルールの明確化と継続雇用期間の長さに応じた一定の手当の支払をルール化
3.正社員と非正社員との中間的な働き方の整備
- 「業務や職場を限定した契約期間に定めのない雇用契約」の在り方
4.雇用・処遇の「共通ルール」の策定
- 有期雇用も含めた正社員との均衡処遇の推進
5.ジョブ・カードを通じた職業訓練の推進
6.雇用保険の活用
- 雇用保険の適用要件(1年を超えて雇用が見込まれる者)の再検討
7.非正社員への社会保険適用範囲の拡大
- 非正社員について、被用者保険に係る適用要件の拡大
8.生活保護制度の改革
- 稼働世代の要保護者に対して一定期間を定めた自立支援プログラムの検討、生活保護基準の境界近辺の失業者等への保護移行防止対策の検討
報告案の詳細は以下をご参照ください。
資料1 労働市場改革専門調査会第4次報告(案)(PDF:538KB)
報告案のポイントは以下をご参照ください。
資料2 労働市場改革専門調査会第4次報告(案)のポイント(PDF:165KB)