えっ、どこが中小企業【緊急】雇用安定助成金?
雇用調整助成金から中小企業向けに分離創設されたのが中小企業緊急雇用安定助成金です。
これは、急激な資源価格の高騰や景気の変動などの経済上の理由による企業収益の悪化から生産量が減少し、事業活動の縮小を余儀なくされた中小企業事業主が、その雇用する労働者を一時的に休業、教育訓練又は出向をさせた場合に、休業、教育訓練又は出向に係る手当若しくは賃金等の一部を助成するというものです。
主な受給要件は以下の通りです。
(1)[1]最近3ヶ月の生産量がその直前3ヶ月又は前年同期比で減少していること。[2]前期決算等の経常利益が赤字であること(生産量が5%以上減少している場合は不要。)
(2)従業員の全一日の休業または事業所全員一斉の短時間休業を行うこと
又は
(3)3ヶ月以上1年以内の出向を行うこと
受給額は以下の通りです。
○休業等
休業手当相当額の4/5(上限あり)
支給限度日数:3年間で200日(最初の1年間で100日分まで)
教育訓練を行う場合は上記の金額に1人1日6,000円を加算
○出向
出向元で負担した賃金の4/5
従来の雇用調整助成金と比べると受給要件は緩和され、助成率も引き上げられています。
今年は、更に受給要件が緩和されそうです。
しかし、いくら受給要件が緩和されても、この不景気の時代、助成金を希望する企業がハローワークに殺到し、審査に時間がかかり、休業を始めてから半年も経たないとと助成金が会社に振り込まれなくなってしまいました。
これでは、緊急の名に値しないのでは?せっかくの助成金の名称「中小企業緊急雇用安定助成金」の名称がなんとも皮肉に聞こえてきます。
体力のある大企業ならともかく、中小企業が苦労して雇用を守るために休業補償しても、助成金をもらう前に倒産してしまうのではないでしょうか。