書面での労働条件明示を怠っただけで書類送検!!
労働新聞8月3日(第2739)号の記事によりますと、広島中央労働基準監督署は、イズミ・フード・サービス(株)と同社所属の店長を広島地検に書類送検しました。
同社は、今年2月にアルバイトを採用する際、労働基準法で定められた賃金・労働時間・その他の労働条件について記載した文書を交付しなかったようです。
今年3月にアルバイト従業員から労基署に寄せられた相談によると、口頭で店長から週5日勤務等の説明はあったものの、月の出勤日数やシフトもわからない状態でした。
そこで、同労基署はすぐに同社を是正指導しましたが、その後同人が、なんと労基法違反で告訴・告発に切り替えてしまい、司法処分となりました。
1,800人規模の会社で採用時に書面の交付をしないというのも、ちょっと驚きましたが(おそらく本社で正社員採用となれば書面を交付していることでしょう)、アルバイトの採用は店長任せで、書面など必要ないと思っていたのでしょう。
それにしても、更に驚いたのが、労働条件を書面で明示されなかったぐらいで、刑事告訴された、ということです。
他に何か、よほど腹に据えかねることがあったのでしょうか?
労働条件の書面での明示は、中小や零細企業では正社員を採用するときでさえも、なされていないのが当たり前です。
今後は、たとえ小さな会社といえども、労働条件はキチンと書面で明示し、しっかりとした就業規則も作っておくべきです。
よほど、労務管理に対して高い意識を持たないと、とんでもない目にあいますよ!!
もっとも、「法律がどうした、俺が法律だ」なんて勘違いしている社長にとっては労務トラブルは良い薬となりますが・・・
参考条文
労働基準法
(労働条件の明示)
第十五条 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。
第百二十条 次の各号の一に該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
一 第十四条、第十五条第一項若しくは第三項、第十八条第七項、第二十二条第一項から第三項まで、第二十三条から第二十七条まで、第三十二条の二第二項(第三十二条の四第四項及び第三十二条の五第三項において準用する場合を含む。)、第三十二条の五第二項、第三十三条第一項ただし書、第三十八条の二第三項(第三十八条の三第二項において準用する場合を含む。)、第五十七条から第五十九条まで、第六十四条、第六十八条、第八十九条、第九十条第一項、第九十一条、第九十五条第一項若しくは第二項、第九十六条の二第一項、第百五条(第百条第三項において準用する場合を含む。)又は第百六条から第百九条までの規定に違反した者
労働基準法施行規則
第五条 使用者が法第十五条第一項 前段の規定により労働者に対して明示しなければならない労働条件は、次に掲げるものとする。ただし、第四号の二から第十一号までに掲げる事項については、使用者がこれらに関する定めをしない場合においては、この限りでない。
一 労働契約の期間に関する事項
一の二 就業の場所及び従事すべき業務に関する事項
二 始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて就業させる場合における就業時転換に関する事項
三 賃金(退職手当及び第五号に規定する賃金を除く。以下この号において同じ。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
四 退職に関する事項(解雇の事由を含む。)
四の二 退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項
五 臨時に支払われる賃金(退職手当を除く。)、賞与及び第八条各号に掲げる賃金並びに最低賃金額に関する事項
六 労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項
七 安全及び衛生に関する事項
八 職業訓練に関する事項
九 災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
十 表彰及び制裁に関する事項
十一 休職に関する事項
○2 法第十五条第一項 後段の厚生労働省令で定める事項は、前項第一号から第四号までに掲げる事項(昇給に関する事項を除く。)とする。
○3 法第十五条第一項 後段の厚生労働省令で定める方法は、労働者に対する前項に規定する事項が明らかとなる書面の交付とする。
今年3月にアルバイト従業員から労基署に寄せられた相談によると、口頭で店長から週5日勤務等の説明はあったものの、月の出勤日数やシフトもわからない状態でした。
そこで、同労基署はすぐに同社を是正指導しましたが、その後同人が、なんと労基法違反で告訴・告発に切り替えてしまい、司法処分となりました。
1,800人規模の会社で採用時に書面の交付をしないというのも、ちょっと驚きましたが(おそらく本社で正社員採用となれば書面を交付していることでしょう)、アルバイトの採用は店長任せで、書面など必要ないと思っていたのでしょう。
それにしても、更に驚いたのが、労働条件を書面で明示されなかったぐらいで、刑事告訴された、ということです。
他に何か、よほど腹に据えかねることがあったのでしょうか?
労働条件の書面での明示は、中小や零細企業では正社員を採用するときでさえも、なされていないのが当たり前です。
今後は、たとえ小さな会社といえども、労働条件はキチンと書面で明示し、しっかりとした就業規則も作っておくべきです。
よほど、労務管理に対して高い意識を持たないと、とんでもない目にあいますよ!!
もっとも、「法律がどうした、俺が法律だ」なんて勘違いしている社長にとっては労務トラブルは良い薬となりますが・・・
参考条文
労働基準法
(労働条件の明示)
第十五条 使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。この場合において、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により明示しなければならない。
第百二十条 次の各号の一に該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
一 第十四条、第十五条第一項若しくは第三項、第十八条第七項、第二十二条第一項から第三項まで、第二十三条から第二十七条まで、第三十二条の二第二項(第三十二条の四第四項及び第三十二条の五第三項において準用する場合を含む。)、第三十二条の五第二項、第三十三条第一項ただし書、第三十八条の二第三項(第三十八条の三第二項において準用する場合を含む。)、第五十七条から第五十九条まで、第六十四条、第六十八条、第八十九条、第九十条第一項、第九十一条、第九十五条第一項若しくは第二項、第九十六条の二第一項、第百五条(第百条第三項において準用する場合を含む。)又は第百六条から第百九条までの規定に違反した者
労働基準法施行規則
第五条 使用者が法第十五条第一項 前段の規定により労働者に対して明示しなければならない労働条件は、次に掲げるものとする。ただし、第四号の二から第十一号までに掲げる事項については、使用者がこれらに関する定めをしない場合においては、この限りでない。
一 労働契約の期間に関する事項
一の二 就業の場所及び従事すべき業務に関する事項
二 始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて就業させる場合における就業時転換に関する事項
三 賃金(退職手当及び第五号に規定する賃金を除く。以下この号において同じ。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
四 退職に関する事項(解雇の事由を含む。)
四の二 退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項
五 臨時に支払われる賃金(退職手当を除く。)、賞与及び第八条各号に掲げる賃金並びに最低賃金額に関する事項
六 労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項
七 安全及び衛生に関する事項
八 職業訓練に関する事項
九 災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
十 表彰及び制裁に関する事項
十一 休職に関する事項
○2 法第十五条第一項 後段の厚生労働省令で定める事項は、前項第一号から第四号までに掲げる事項(昇給に関する事項を除く。)とする。
○3 法第十五条第一項 後段の厚生労働省令で定める方法は、労働者に対する前項に規定する事項が明らかとなる書面の交付とする。