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派遣法改正案に公益委員、使用者委員の双方が懸念を表明

昨年11月4日に派遣法改正案(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案 )が国会に提出されましたが、今年7月21日、衆議院の解散に伴い廃案となりました。

 

長妻厚生労働相は10月7日、改めて労働政策審議会職業安定分科会に「今後の労働者派遣制度の在り方について」諮問しました。


同分科会では、民主党・社会民主党・国民新党の三党合意案に、公益委員、使用者委員の双方が強い懸念を表明しました。

使用者委員は、「製造派遣を原則禁止するのは行き過ぎで、海外へ生産拠点を移すしか道がなくなる。中小企業においては、コスト面から社員を雇用できず、地域経済に打撃を与える可能性もある」「製造派遣は、商品サイクルの短縮化、季節的商品の生産対応には派遣労働者の活用が適している」としました。

公益委員は「登録型派遣を専門業務に限るのは、憲法上の職業選択の自由、ILO条約関連で問題がある」「製造派遣をやめても正社員が増えるとは限らない。非正規社員の増加につながるのであれば問題は解決しない」としました。

使用者委員はともかく、公益委員までもが派遣規制に懸念を表明したことに対し、労働新聞10月19日(第2749)号「週録」欄は「派遣法審議で公益委員が異例の積極発言。三党合意案へ反旗表明で天罰覚悟」と書いています。

さて、その三党合意案とは・・・労働者派遣法の名称を派遣労働者保護法(労働者派遣事業の適性な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律)に改めることを始め、雇用契約期間が2ヵ月以下の労働者派遣を禁止、26専門業務以外は常用雇用のみとする、専門業務を除き製造業派遣を禁止、派遣労働者所属労働組合と派遣先との団体交渉応諾義務、派遣先が違法行為を行った場合の直接雇用みなし規定の創設、違法派遣に対する罰則を強化し、最高3億円までの罰金、などです。

以下ご参照ください。
 厚生労働省:第63回労働政策審議会職業安定分科会資料

三党合意案は以下から。
 平成20年政府提出、3党(民主・社民・国民)提出の労働者派遣法改正案の比較

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