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派遣法改正、「直接雇用見なし制度」にご注意を!!

本日の日経新聞朝刊トップ記事によると、人材派遣各社は労働者派遣法改正に当たって、派遣から請負・受託サービスに移行する予定です。

 

食品・衣料等の小売りや飲食店に関しては、売り場や店舗を丸ごと運営委託、製造に関しては、派遣から請負に転換することになります。

ただし、受託や請負だと、委託元や発注元の会社が委託先や請負先の従業員に対して指揮命令することができず、業務の円滑な運営に支障をきたすおそれがあります。

万が一、指揮命令などしようものなら、改正派遣法に明記されることになりそうな「直接雇用見なし制度」が適用され、委託元や請負元において委託先や請負先の従業員を直接雇用する義務が生じてしまいます。

委託先や請負先の従業員を、委託元や請負元が指揮命令すると、違法派遣ということになります。

労働者派遣法改正に関しては、去る12月28日に、長妻厚生労働大臣に対し、答申がなされたところであり、「直接雇用見なし制度」に関しては、以下のように記載されています。

違法派遣の場合、派遣労働者の希望を踏まえつつ雇用の安定が図られるよう、派遣先が、以下の違法派遣について違法であることを知りながら派遣労働者を受け入れている場合には、違法な状態が発生した時点において、派遣先が派遣労働者に対して、当該派遣労働者の派遣元における労働条件と同一の労働条件を内容とする労働契約を申し込んだものとみなす旨の規定を設けることが適当である。」

偽装請負の場合、発注元に直接雇用義務が生じることになりますので、改正派遣法施行後は「松下プラズマディスプレイ事件」のような最高裁判決はなくなることでしょう。

ただし、現在係争中の数10件に及ぶ偽装請負下での請負元に対する労働契約関係の成立が認められることはないでしょう。

労働者派遣法改正に関する答申については以下をご参照ください。
厚生労働省:「今後の労働者派遣制度の在り方について」の答申について

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