専門26業務と偽った違法派遣への対応開始:厚生労働省
厚生労働省は、期間制限を免れるために専門26業務と称した違法派遣への厳正な対応を図るため、同業務の適正な運用について関係団体に対して要請するとともに、都道府県労働局において、3月及び4月を集中的な期間とする専門26業務の派遣適正化のための指導監督を行うことなどを内容とした「専門26業務派遣適正化プラン」を策定・実施することとしました
労働者派遣は、本来、臨時的・一時的な労働力需給調整の仕組みであるので、労働者派遣の役務については、派遣就業の場所ごとの同一の業務について、労働者派遣法施行令第4条に掲げる専門26業務等を除き、派遣可能期間(原則1年、最長3年)の制限を超えて継続して提供を受けることはできません。
しかしながら、最近、派遣可能期間の制限を免れることを目的として、契約上は専門26業務と称しつつ、実態的には専門26業務の解釈を歪曲したり、拡大したりして、専門性がない専門26業務以外の業務を行っている事案が散見されているところです。
例えば、専門26業務のうちのひとつ、「事務機器操作」とは、「オフィス用のコンピュータ等を用いて、ソフトウエア操作に関する専門的技術を活用して、入力・集計・グラフ化等の作業を一体として行うもの」とされていて、初心者による業務や単純に数値をキー入力するだけの業務は該当しません。
また、「ファイリング」とは、「高度な専門的知識、技術又は経験を利用して、分類基準を作成した上で当該分類基準に沿って整理保管を行うもの等」に限られ、既にある管理規程に基づき、書類の整理を機械的に行っているだけの場合や、単に文書を通し番号順に並び替え、それをファイルに綴じるだけの場合、管理者の支持により、背表紙を作成しファイルに綴じるだけの場合は、該当しません。
詳細は以下をご参照ください。
厚生労働省:期間制限を免れるために専門26業務と称した違法派遣への厳正な対応((専門26業務派遣適正化プラン))
参考条文
労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律施行令
(法第四十条の二第一項第一号の政令で定める業務)
第四条 法第四十条の二第一項第一号の政令で定める業務は、次のとおりとする。
一 電子計算機を使用することにより機能するシステムの設計若しくは保守(これらに先行し、後続し、その他これらに関連して行う分析を含む。)又はプログラム(電子計算機に対する指令であつて、一の結果を得ることができるように組み合わされたものをいう。第二十三号及び第二十五号において同じ。)の設計、作成若しくは保守の業務
二 機械、装置若しくは器具(これらの部品を含む。以下この号及び第二十五号において「機械等」という。)又は機械等により構成される設備の設計又は製図(現図製作を含む。)の業務
三 映像機器、音声機器等の機器であつて、放送番組等(放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第二条第一号に規定する放送、有線ラジオ放送業務の運用の規正に関する法律(昭和二十六年法律第百三十五号)第二条に規定する有線ラジオ放送及び有線テレビジョン放送法(昭和四十七年法律第百十四号)第二条第一項に規定する有線テレビジョン放送の放送番組その他影像又は音声その他の音響により構成される作品であつて録画され、又は録音されているものをいう。以下同じ。)の制作のために使用されるものの操作の業務
四 放送番組等の制作における演出の業務(一の放送番組等の全体的形成に係るものを除く。)
五 電子計算機、タイプライター、テレックス又はこれらに準ずる事務用機器(第二十三号において「事務用機器」という。)の操作の業務
六 通訳、翻訳又は速記の業務
七 法人の代表者その他の事業運営上の重要な決定を行い、又はその決定に参画する管理的地位にある者の秘書の業務
八 文書、磁気テープ等のファイリング(能率的な事務処理を図るために総合的かつ系統的な分類に従つてする文書、磁気テープ等の整理(保管を含む。)をいう。以下この号において同じ。)に係る分類の作成又はファイリング(高度の専門的な知識、技術又は経験を必要とするものに限る。)の業務
九 新商品の開発、販売計画の作成等に必要な基礎資料を得るためにする市場等に関する調査又は当該調査の結果の整理若しくは分析の業務
十 貸借対照表、損益計算書等の財務に関する書類の作成その他財務の処理の業務
十一 外国貿易その他の対外取引に関する文書又は商品の売買その他の国内取引に係る契約書、貨物引換証、船荷証券若しくはこれらに準ずる国内取引に関する文書の作成(港湾運送事業法第二条第一項第一号に掲げる行為に附帯して行うもの及び通関業法(昭和四十二年法律第百二十二号)第二条第一号に規定する通関業務として行われる同号ロに規定する通関書類の作成を除く。)の業務
十二 電子計算機、自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識、技術又は経験を必要とする機械の性能、操作方法等に関する紹介及び説明の業務
十三 旅行業法(昭和二十七年法律第二百三十九号)第十二条の十一第一項に規定する旅程管理業務(旅行者に同行して行うものに限る。)若しくは同法第四条第一項第四号に規定する企画旅行以外の旅行の旅行者に同行して行う旅程管理業務に相当する業務(以下この号において「旅程管理業務等」という。)、旅程管理業務等に付随して行う旅行者の便宜となるサービスの提供の業務(車両、船舶又は航空機内において行う案内の業務を除く。)又は車両の停車場若しくは船舶若しくは航空機の発着場に設けられた旅客の乗降若しくは待合いの用に供する建築物内において行う旅行者に対する送迎サービスの提供の業務
十四 建築物における清掃の業務
十五 建築設備(建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第三号に規定する建築設備をいう。次号において同じ。)の運転、点検又は整備の業務(法令に基づき行う点検及び整備の業務を除く。)
十六 建築物又は博覧会場における来訪者の受付又は案内の業務、建築物に設けられ、又はこれに附属する駐車場の管理の業務その他建築物に出入りし、勤務し、又は居住する者の便宜を図るために当該建築物に設けられた設備(建築設備を除く。)であつて当該建築物の使用が効率的に行われることを目的とするものの維持管理の業務(第十四号に掲げる業務を除く。)
十七 科学に関する研究又は科学に関する知識若しくは科学を応用した技術を用いて製造する新製品若しくは科学に関する知識若しくは科学を応用した技術を用いて製造する製品の新たな製造方法の開発の業務(第一号及び第二号に掲げる業務を除く。)
十八 企業等がその事業を実施するために必要な体制又はその運営方法の整備に関する調査、企画又は立案の業務(労働条件その他の労働に関する事項の設定又は変更を目的として行う業務を除く。)
十九 書籍、雑誌その他の文章、写真、図表等により構成される作品の制作における編集の業務
二十 商品若しくはその包装のデザイン、商品の陳列又は商品若しくは企業等の広告のために使用することを目的として作成するデザインの考案、設計又は表現の業務(次号に掲げる業務を除く。)
二十一 建築物内における照明器具、家具等のデザイン又は配置に関する相談又は考案若しくは表現の業務(法第四条第一項第二号に規定する建設業務を除く。)
二十二 放送番組等における高度の専門的な知識、技術又は経験を必要とする原稿の朗読、取材と併せて行う音声による表現又は司会の業務(これらの業務に付随して行う業務であつて、放送番組等の制作における編集への参画又は資料の収集、整理若しくは分析の業務を含む。)
二十三 事務用機器の操作方法、電子計算機を使用することにより機能するシステムの使用方法又はプログラムの使用方法を習得させるための教授又は指導の業務
二十四 電話その他の電気通信を利用して行う商品、権利若しくは役務に関する説明若しくは相談又は商品若しくは権利の売買契約若しくは役務を有償で提供する契約についての申込み、申込みの受付若しくは締結若しくはこれらの契約の申込み若しくは締結の勧誘の業務
二十五 顧客の要求に応じて設計(構造を変更する設計を含む。)を行う機械等若しくは機械等により構成される設備若しくはプログラム又は顧客に対して専門的知識に基づく助言を行うことが必要である金融商品(金融商品の販売等に関する法律(平成十二年法律第百一号)第二条第一項に規定する金融商品の販売の対象となるものをいう。)に係る当該顧客に対して行う説明若しくは相談又は売買契約(これに類する契約で同項に規定する金融商品の販売に係るものを含む。以下この号において同じ。)についての申込み、申込みの受付若しくは締結若しくは売買契約の申込み若しくは締結の勧誘の業務
二十六 放送番組等の制作のために使用される舞台背景、建具等の大道具又は調度品、身辺装飾用品等の小道具の調達、製作、設置、配置、操作、搬入又は搬出の業務(法第四条第一項第二号に規定する建設業務を除く。)