改正育児・介護休業法と就業規則、その5
改正育児・介護休業法と就業規則の規定例、第5回目は「実効性の確保」です。
前回までは、就業規則の改定に直接関わりのある事項を連載していました。
今回は特に就業規則に定める必要のないことですが、今までのつながりから、ここに記載したいと思います。
(1) 苦情処理・紛争解決の援助及び調停の仕組みの創設
平成22年4月1日からは、「育児休業の取得等に伴う労使間の紛争等について、調停委員による調停制度」が設けられます。
平成21年9月30日から(つまり、既に施行されています)は、「育児休業の取得等に伴う労使間の紛争等について、都道府県労働局長による紛争解決の援助制度(助言・指導・勧告)」が設けられています。
(2) 勧告に従わない場合の公表制度及び報告を求めた場合に報告をせず、又は虚偽の報告をした者に対する過料の新設
平成21年9月30日から(つまり、既に施行されています)は、「育児・介護休業法違反に対する勧告に従わない企業名の公表制度や、虚偽の報告をした企業に対する過料の創設」が設けられました。
参考条文
育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律
(紛争の解決の援助)
第52 条の4 都道府県労働局長は、前条に規定する紛争に関し、当該紛争の当事者の双方又は一方からその解決につき援助を求められた場合には、当該紛争の当事者に対し、必要な助言、指導又は勧告をすることができる。
(調停の委任)
第52 条の5 都道府県労働局長は、第52 条の3 に規定する紛争について、当該紛争の当事者の双方又は一方から調停の申請があった場合において当該紛争の解決のために必要があると認めるときは、個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律第6 条第1 項の紛争調整委員会に調停を行わせるものとする。
(報告の徴収並びに助言、指導及び勧告)
第56 条 厚生労働大臣は、この法律の施行に関し必要があると認めるときは、事業主に対して、報告を求め、又は助言、指導若しくは勧告をすることができる。
(公表)
第56 条の2 厚生労働大臣は、第6 条第1 項(第12 条第2 項及び第16 条の3 第2 項、第16 条の3第2 項及び第16 条の6 第2 項において準用する場合を含む。)、第10 条(第16 条、第16 条の4及び第16 条の7 において準用する場合を含む。)、第12 条第1 項、第16 条の3 第1 項、16 条の6第1 項、第16 条の8 第1 項、第16 条の9、第17 条第1 項(第18 条第1 項において準用する場合を含む。)、第18 条の2、第19 条第1 項(第20 条第1 項において準用する場合を含む。)、第20条の2、第23 条、第23 条の2、第26 条又は第52 条の4 第2 項(第52 条の5 第2 項において準用する場合を含む。)の規定に違反している事業主に対し、前条の規定による勧告をした場合において、その勧告を受けた者がこれに従わなかったときは、その旨を公表することができる。
第68 条 第56 条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、20 万円以下の過料に処する。
以下、ご参照ください。
厚生労働省:育児・介護休業法の改正について
http://www.mhlw.go.jp/topics/2009/07/tp0701-1.html
就業規則の規定例
http://www.mhlw.go.jp/topics/2009/07/dl/tp0701-1p.pdf