出産育児一時金の医療機関への直接支払制度、猶予延長へ
出産育児一時金の直接支払制度は、妊婦ができるだけお金の心配をしないで出産できるよう、支給額を4万円引き上げることと併せて、あらかじめまとまった現金を用意しなくてもよいようにするため、昨年10月より実施されました。
この制度は、医療機関からの申請から支払までに一定の期間(1~2ヵ月程度)を要することから、当面の準備が整わないなど、どうしても対応が困難な医療機関については、今年度に限り、例外的に、その適用を猶予するとともに、医療機関の資金繰りの問題に対応するため、昨年10月8日には、福祉医療機構における低利融資について、金利の引き下げや、無担保融資上限額の引き上げなど、更なる条件緩和を行ったところです。
しかし、本年2月に、厚生労働省において、直接支払制度への対応が困難と考えられる医療機関に対して行った調査によれば、現在、部分的な実施か、全面的に実施を見合わせている医療機関の約7割が資金繰りの問題を理由としており、また、4月以降については、約5割強が部分的な実施であれば対応可能、約4割弱が全面的に対応困難であるといったことが明らかとなりました。
制度の全面的な実施により、分娩の取扱いが困難となる医療機関が出てくると、かえって妊婦迷惑をかけることとなるため、本年4月以降については、
(1) 妊婦の経済的負担への配慮のための措置※を講じながら、出産育児一時金の引上げ等に係る暫定措置期間である平成23年3月末まで、実施猶予を延長
※1 個別に直接支払制度に対応する。(医療機関の判断により、妊婦が出産育児一時金を受け取るまで支払いを待つことでも可)
※2 保険者による出産費用の貸付や、都道府県社会福祉協議会による生活福祉貸付を受けられるよう、制度の説明や申請の支援等の便宜を図る。
○ 直接支払制度に対応していない旨の院内掲示と、制度に対応していない旨を説明し、妊婦の合意を得ることについては、これまでと同様。
(2) 支払の早期化や、低利融資のさらなる条件緩和など、医療機関の資金繰りへの支援を実施する
(3) 出産育児一時金制度について議論する場を設け、直接支払制度の現状・課題や、平成23年度以降の制度の在り方について検討する
となりました。
以下、ご参照ください。
厚生労働省:出産育児一時金の医療機関への直接支払制度に係る4月以降の対応について