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後期高齢者医療制度廃止で変わる点は?

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後期高齢者医療については、年齢による差別があった点が最大の問題とされました。

このため、まずは、平成22年4月の診療報酬改定において、75歳以上という年齢に着目した診療報酬(17項目)が廃止されました。

制度本体の見直しについては、今回、「中間とりまとめ」において基本骨格が示されました。

年齢で加入する医療保険制度を分離・区分する後期高齢者医療制度を廃止し、新たな制度においては、高齢者も現役世代と同じ国保か被用者保険に加入することになります。

厚生労働省によれば、これにより、年齢で保険証が変わることはなくなり、健診の取扱いも現役世代と同じになるなど、年齢による差別的な扱いが解消されるとのことですが・・・

後期高齢者医療制度は、このほかにも、
1.高齢者の医療費の増加に比例して保険料が増加
2.個人単位で保険料を徴収するため、扶養されている高齢者も保険料を負担
3.患者負担の上限は、同じ世帯でも加入する制度ごとに適用
4.健康診査が努力義務となり、受診率が低下といった問題がありました。

このため、新たな制度においては、
1.高齢者の保険料の伸びを抑制できる仕組みを併せて設けること
2.国保については世帯主がまとめて保険料を納付することとなるため、世帯員となる高齢者の保険料の納付義務はなくなり、被用者保険に移る被扶養者については保険料負担がなくなること
3.現役世代と同じ制度に加入することで、患者負担が世帯単位で合算され、世帯によっては高額療養費により世帯当たりの負担額が軽減されること
4.高齢者の健康診査は、各保険者の義務とすること等の改善が図られる、ということですが・・・

さらに、国保については、まず高齢者医療に関し都道府県単位の財政運営とし、追って現役世代についても都道府県単位化を図り、長年の課題であった国保の広域化を実現することとしています。

一方、新たな制度においても、
1.公費・現役世代・高齢者の負担割合を明確化する
2.国保に加入する高齢者については都道府県単位の財政運営を行うなど、後期高齢者医療制度の利点は残すこととしています。

年齢の区分が無くなり、高齢者の被差別意識は解消され、会社員や公務員などの家族に扶養されている高齢者の保険料負担も無くなり、高齢者にとっては結構な制度のようですが、問題は財源です。

厚生労働省は、
今後さらに、着実に議論を進め、
(1)平成22年末を目途に、最終的なとりまとめを行った上で、
(2)平成23年の通常国会を目途に法案提出
(3)平成25年4月を目途に新たな制度の施行
といったスケジュールの下に取り組むことにしています。

詳細は、以下をご参照ください。
「中間とりまとめ」に対する主なご指摘と厚生労働省の考え方(PDF:166KB)New8月27日

厚生労働省:“後期高齢者医療制度”についてご説明します



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