遺言のメリット その2
こんにちは。
今回は、遺産分割協議が物理的に進まない場合についてお話します。
遺言がないと、協議をして遺産分割協議書を作成しなければなりません。
遺産分割協議を成立させるためには相続人全員の合意が必要で、協議書には
全員のハンコを押さなければいけません。
そんなの簡単と思うかもしれませんが、争いがなくても合意できない場合が
多々あります。
①相続人同士が遠距離に暮らしている場合
この場合会って協議をするのはなかなか大変ですし、電話や書面でやりとりすると
行き違いも起こりやすく結果的にもめることも予想されます。
②相続人に認知症の人がいる場合
この場合、その人に判断能力がないとなれば、成年後見人等を家庭裁判所で
選任してもらうまで、協議は進みません。
③相続人に未成年者がいる場合
未成年者は法定代理の同意がないと協議に参加できません。
しかも、法定代理人も相続人である場合は、互いの利益が相反するとして、そのことに
ついては、法定代理人が代理できません。そこで、家庭裁判所で特別代理人を選任して
もらわなければいけません。
④相続人が行方不明の場合
当然、協議ができません。他の相続人は、戸籍を辿るなどして行方不明者を探す・
不在者の財産管理人を家庭裁判所につけてもらう・失踪宣告をするなどの手続きが
必要で、その間協議は進みません。
以上の一つでも該当すれば、相続手続きが難航することは明らかです。
この点、遺言執行者が指定された遺言があれば、遺言執行者が手続きを遂行できるので
相続人全員の同意・ハンコも不要です。
だから手続きがスムーズなので遺言があった方が良いのです。