行政書士が「専門家」たる所以・・①
行政書士が専門家と言い得るためには、「許認可のプロ」となることです。
確かに、現在の行政書士は、民事法務系の業務を手がけることができます。
しかし、この分野は、弁護士、司法書士、弁理士、社会保険労務士と重なる
分野です。
したがって、一般の方からみると確かに行政書士は、民事法務系業務の「専門家の一人」ですが、「唯一」ではないのです。
これは何を意味するかといえば、弁護士など他士業と同じ市場で競争しなければならないということです。その場合、「行政書士が何をもって勝てるか」、専門性でしょうか、価格でしょうか。
民事法務系の業務において、専門性で他士業と勝負できる行政書士はごく僅かでしょう。
そうすると、どうしても価格で勝負することになってしまいます。
「行政書士は弁護士より安い」
どうして行政書士であるということが業務の安さにつながるのでしょうか。
「従来、弁護士が法外な報酬を得ていた。だから適正な価格で行政書士は
業務を行う」というのでしょうか。私は、大学卒業後、直ぐに法律事務所に勤務し、約7年間在籍して、行政書士になりました。私の知る限り、弁護士が「法外な報酬を得ている」ということはありません。
正に「適正な報酬だ」と思っています。
では・・・
弁護士での適正価格よりも、行政書士が安くできる理由は何でしょうか。
私は「理由がない」と思っています。
ですから、民事法務系の業務をするときは、適正な価格を知る必要があると
思うのです。それを知らずに、安易に安価で業務を行った場合には、民事法務系業務にあっても「食べていけない」という現象が行政書士業界に起こることは明らかです。
「行政書士は、民事法務系業務を手がけられる。その専門性を身につけつつある。」ということと、「どのように、この民事法務系業務という商品を市場に売っていくか。」という議論とは全く別のものだということ考える必要があります。