Q . 普段はどのようなお仕事をなさっていらっしゃるのですか？

A.現在、私の事務所にはパートナーの司法書士１名とスタッフ２名がおりますが、私の業務については、だいたい８割が債務整理の仕事が占め、残り２割が登記関係の仕事で、金融機関関係の不動産登記や会社設立等を中心とする商業登記等の仕事をしています。パートナーは登記業務中心の仕事をしています。

Q.そのお仕事はどういった内容なのですか？

A.不動産登記や商業登記はイメージしやすいと思うので、「債務整理」についてご説明します。「債務整理」とは、サラ金業者やクレジット会社から何百万円というお金を借りてしまい気づけば借金を返済できない状態になってしまった人たち（業界用語では「多重債務者」といいます）の更生を支援する業務のことです。金利については、上限金利を上回る金利で貸し付けた場合に罰則がある「出資法」と、強行法規違反で民事的に無効ではあるけれども罰則がない「利息制限法」というダブル・スタンダードの状態にあり、昨今、ニュースでも金利のグレーゾーン（グレーゾーン金利とは、この利息制限法の上限利率から、出資法の上限利率の間の金利をいいます。）の問題として取り上げられていました。昨年、「貸金業の規則等に関する法律等の一部を改正する法律案」が成立し、出資法の上限金利が数年後に引き下げになる予定ですが、現在でもほとんどのサラ金業者がこの出資法の上限金利すれすれの金利で融資しています。消費者側が利息制限法についてまったく知らないで利息制限法の上限金利を払い続けていても、サラ金業者等はそれが違法であるとは説明せずに利益を享受しておりますので、我々のような資格者が消費者の代理人あるいは支援者として、利息制限法を超えて支払った利息分につき、元金に充当して借金の金額を減らしてあげるとか、元金と利息制限法内の利息を超えて払いすぎた利息（「過払金（かばらいきん）」といいます）を取り戻してあげたり、あるいは裁判上の手続きをとることにより借金の金額を全額カット（自己破産）したり、一部カット（個人再生）したりすることが債務整理の仕事です。　　　

Q. 営業エリアや、営業時間をお聞かせください？

A.営業エリアは東京が中心ではありますが、関東近県であれば、神奈川でも埼玉でも千葉でも受任します。私は埼玉県出身で、埼玉県を中心とするクレサラ（借金問題）被害者の会（「夜明けの会」）に参加していますので、今のところ、債務整理の案件については埼玉の案件が多いですね。営業時間は、平日は原則として９：００～１９：００ですが、実際には８：００くらいに出勤していることも多いですし、あらかじめお電話でご予約を頂ければ１９時以降でも相談はさせて頂きますし、営業時間を過ぎた場合でも、FAXやメールをしていただければ翌日にはご連絡させていただきます。休日は、原則、土・日曜日ですが、やはり、債務整理等のご相談者は土・日に相談を希望される場合も多いので、その場合には、あらかじめ相談の予約を入れていただければ、出勤して相談をさせて頂くようにしています。わりと土曜日などに出勤していることが多いです。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

Q.お仕事、お客様に対して特に大切にしていらっしゃる事、また、心がけていらっしゃる事は何ですか？

A.お客様が誤解をなさらないようにとにかく分かりやすい言葉で説明をしっかりしてあげること、また、お客様がなるべく話し易い雰囲気をつくるように心がけています。資格者というのは、少なからず、敷居が高いというイメージをもたれていることもあるようです。昔から仕事をされている先生だと偉そうにしているとか、ある先生のところに行ったら不愉快だったという話もしばしば聞くことも多いですから。以上のようなことを心がけて、お客様に十分満足していただけるような対応を心がけています。

Q.　このご職業をどういった経緯でご選択されたのですか？

A.私は、元々は銀行員なんです。１１年くらい、勤めました。もともと理系出身なので証券関係のセクションで働いていたのですが、自分の考えている評価と上司の評価とが、かなり違うということが何回かあったこと、銀行員としての将来がだいたい見えてしまったこと等から、人生は一度きりだし、別の仕事をしてみるのもおもしろいかなぁと考えるようになりました。司法書士を選んだのは、支店勤務時代に司法書士の先生に登記の仕事を依頼することもしばしばあり、書類を作ってそれなりの報酬になるので、仕事として結構良いんじゃないかな？と思った点と、弁護士のように訴訟等で戦うことがないので（当時は司法書士に簡裁の訴訟代理権はありませんでした）、争いごとが嫌いな自分には合っているんじゃないかと思いました。そうした流れで仕事の成績の良し悪しにかかわらず自分に責任がある自営業に魅力を感じ、また、なんとなく儲かりそうだという思いと、争いが嫌いという点から司法書士という職業を選びました（今考えるとちょっと恥ずかしい動機です）。もっとも債務整理等でサラ金業者等と時には喧嘩みたいな感じの話になる点では当初の思惑とかなり異なっているみたいです（笑）。

Q.事務所に対してのお気入りをお聞かせいただけますか？

A.事務所が比較的綺麗なので気に入っています。また、事務所の雰囲気もわりとザックバランで仕事がしやすい環境にあると思います。

Q. 今後の指針等がございましたらお聞かせください。

A.現在は債務整理のウエイトが高いのですが、不動産登記や商業登記の案件も増やしていきたいと考えております。債務整理もたいへん重要な仕事であり、現在一番力を入れていますが、事務所運営上の安定性という点では一定量の不動産登記や商業登記の仕事も必要と考えております。現在は司法書士数名ですが、将来的には各分野（登記、裁判・債務整理、成年後見等）のエキスパートを揃えた事務所として本当の意味での「総合事務所」としたいですね。　　　　　　

Q.　趣味・最近はまっていることはございますか？

A. 以前から中国や日本の古代史が好きで興味があります。ちなみに事務所名は、司法書士かもん法務総合事務所。ほとんどのお客様が「かもん」を「COME　ON！」と思うようですが・・・（笑）。実は「かもん」は漢字で「夏門」と書きます。中国の三国志の英雄の一人である曹操が作った「歩出夏門行」という詩が好きなので、「夏門」という言葉を事務所名としていただきました。最近では時間がなくて、歴史関係の本からは遠のいていますね。だから、趣味は仕事です！

Q.最近面白かったこと、感じたことはございますか？

A.多彩な仕事の依頼がくるのが楽しみですね。自分の資格を生かして「人の役に立つ」「人を助けることができる」というと司法書士という資格を少々持ち上げすぎのような気もしますが、人の役に立って嬉しいというか、そういう気持ちは正直な所、ありますね。担当した仕事に対して「ありがとうございました」と一言書かれたお手紙を頂いたりすると、この仕事をやっていて良かったと思います。