遺留分について:相続センター埼玉・八潮・越谷・三郷・草加・八潮
■配偶者や子どもなどには遺留分がある
被相続人が遺書の中で表した最終の意思は、法律で定めている法定相続の規定よりも尊重される、というのが現在のわが国の相続法の基本的な立場です。
しかしながら、たとえば、ある被相続人が
「全財産を愛人A子に与える」、
あるいは
「全財産を○○団体に寄付する」
という内容の遺言をのこして 死亡したらどうなるでしょうか?
残された妻子はたちまち路頭に迷ってしまいます。
相続には、残された遺族の生活保障という意味合いもあるわけですから、
いくら自分の財産であるからといって、すべて自由に処分することまで、
法が許しているわけではありません。
民法では、相続財産のうち一定割合は(遺言の内容にかかわらず)
必ず一定範囲の相続人に留保される、という構成をとっており、
被相続人の遺言でもこれを侵害することはできないとしています。
このように、相続人が取得することを保証された分を遺留分といい、
遺留分を有する相続人を遺留分権利者といいます。
この遺留分権利者の範囲は、配偶者と子(代襲相続人を含む)、
直系尊属となっており、法定相続人のうち、兄弟姉妹には遺留分は
認められていません。
■遺留分算定の基礎とある財産
遺留分は、舞台的には、民法1029条、1030条の規定にしたがい
計算される「遺留分算定の基礎となる相続財産の金額の一定割合」として
表されます。
この遺留分算定の基礎となる相続財産は、具体的には、被相続人が
相続開始時において有していた財産の価額+相続開始前の1年間に
被相続人が贈与した財産の価額(1年前でも当事者双方が遺留分権利者に
損害を加えることを知って行った贈与がある場合、それを含む)-債務の
全額によって計算した金額をいいます。
相続人以外のものに対してなされた贈与や遺贈もふくまれる
などの点で、相続分を算定する場合の基礎となる相続財産とは
計算方法が異なっていますので注意してください。
なお、相続財産中に条件付きの権利や存続期間の不確定な権利が
ある場合などは、家庭裁判所が選定した鑑定人の評価にしたがい
その価額を定めることとなっています。
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公認会計士 税理士 ロイヤルタックス税理士法人 福野会計事務所