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相続の記事一覧

遺言書の種類;相続センター埼玉・八潮・草加・越谷・三郷・吉川

遺言の方式には、2種類あります。

1.普通方式
通常の場合用いられます。

2. 特別方式
普通方式が困難な場合にのみ用いられます。


●普通方式による遺言

普通方式の遺言には3種類あります。
 1.自筆証書遺言
 2.公正証書遺言
 3.秘密証書遺言

特別方式の遺言が認められる場合を除き、
この3つの方式のどれかで行わないといけません。

どれにするかは、遺言者が自由に選択できます。

1.自筆証書遺言

自分で書いて管理する遺言です。
ワープロや代筆などは一切認められておらず、あくまでも全文を「自分の手で書く」ことが
要件です。

作成が簡便な反面、方式不備で無効になったり、偽造や改ざん、紛失のおそれが高いなどの
デメリットもあります。

2.公正証書遺言

法律のプロである公証人が関与するため、方式不備などが避けられ、作成後も遺言書の原本が
公証人役場で保管されるので安全性の高い遺言です。

作成にあたっては、証人2人以上の立会いが必要で、証人や公証人に遺言の内容を知られる点が
この方式のデメリットとされています。

なお、公正証書遺言には検認が不要、遺言者が署名できない場合には公証人が事由を付記し、署名に
代えることができるなど他の方式にはないメリットがあります。


3.秘密証書遺言

「公正証書遺言もいいが、内容は秘密にしたい」というときには遺言書そのものを自分で作成し、
封印したものを公証してもらう秘密証言遺言があります。封印後の封紙には公証人による記載が
なされるため改ざんのおそれはなく、また公証人とならび2人以上の証人が署名するので遺言の
存在を明らかにできるメリットはありますが、遺言書の作成自体には公証人は関与しないため、
方式不備などの可能性があります。

4.特別方式の遺言

特別方式には一般危急時遺言、難船危急時遺言(これらを危急時遺言という)、一般隔絶地遺言、
船舶隔絶地遺言(これらを隔絶地遺言という)があります。
これらの方式は普通方式が困難な特別の事情を前提に、例外的に認められている簡略な方式ですから、
遺言者が普通方式により遺言できるようになったときから6ヶ月間生存すれば効力がなくなります。
(民法983条)


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遺言書を残す具体例;相続センター埼玉・八潮・草加・越谷・三郷

遺言を残しておいた方がいい場合の、具体例を紹介します。

例1
長男の嫁がよく看病をしてくれた
⇒長男の配偶者には相続権がない。
苦労に報いたいのであれば遺贈を

例2
40年連れ添った伴侶がいるが、入籍をしていない
⇒内縁関係にある場合は、相続権がない。
生活の保障という意味でも遺言は必要

例3
愛人に子どもをつくってしまったが、まだ小さいので将来が心配だ
⇒非摘出子を認知したり、既に認知をした非摘出子に法定相続割合を超えて
資産を多く残したいとき

例4
先祖代々の土地なので、相続により分割されるのはしのびない
⇒事業を承継する者への事業用資産や土地、建物など分割しにくい特定の資産を、
誰に相続させたいのかを具体的に指定する

例5
先妻との間の子どもに、遺産を残してあげたい
⇒先妻の子でも子には変わらないので相続権があるが、とかくもめごとの火種になりがち。
遺言で分割の指定などがあったほうがスムーズ

例6
周囲にいつも迷惑をかけているドラ息子がいる。
財産を相続させたくない
⇒遺言で特定の相続人の相続廃除の意思表示をすることもできる

例7
相続人がいないので、自分の死後は財産を地域のために役立ててほしい
⇒相続人がいない場合には、あらかじめ財産の使い道を遺言で指定しておこう

例8
障害のある子どもがおり、自分の死後も安心して生活できるように、
後見人を決めておきたい
⇒配偶者もいない場合には、子どもの財産を管理する後見人の指定をしっかり

例9
言葉では言い尽くせないくらい世話になった恩人がいる。
せめて感謝の気持ちを伝えた
⇒遺贈というかたちで相続人ではない人にも自分の財産を譲与することができる

次回は遺言の種類について説明します。


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相続トラブルは増えている:相続センター埼玉・八潮・草加・越谷・三郷

相続関係の紛争もいろいろありますが、なかでももっとも多いのが、やはり遺産の分割にかかわる部分です。

仲のよかった兄弟姉妹が、父親の財産の相続をきっかけに犬猿の仲になるなどというような
悲劇が起これば、何ともやりきれない思いがします。

相続をめぐる悲劇を避けるためには、生前に遺言書を書いておくことをぜひともおすすめします。

■家族が相続税地獄に陥らないように

相続人が財産を相続した場合にかかる相続税についても考えておく必要があります。
実際にバブル期には不動産価格が異常に高騰した結果、土地の評価額が上がり、莫大な額の
相続税がかかったために、長年住んでいた家を処分した、あるいは相続税を払うために、
多額の借金を余儀なくされたといった悲劇が起こりました。

不動産価格はひところに比べて下落したというものの、長期間所有しているうちに思いのほか
路線価などの評価額が上がっていることがあります。

あらかじめどのくらいの相続税がかかるのかを見積もり、適切な対策を事前に立てておくことは
不可欠なことといえます。

■さまざまな相続トラブル

ケース1
長男の嫁ということもあって親の老後の面倒をよくみたのに自分には何も残されていない
⇒息子の配偶者には相続権がない。
このようなケースでは、えてして嫁に不満がたまる。

ケース2
内縁関係にある者と血族相続人
⇒内縁関係にある者には、相続権がない。

ケース3
先妻の子と後妻の子
⇒子には等しく相続権があり、その点では先妻の子、後妻の子との間で差がないが、
後妻が相続した分の二次相続の際には、当然先妻の子には相続権がなく、結果的には
大きな差が生じる。

ケース4
現物で財産を相続した場合
⇒土地や書画骨董などを現物で分ける場合には、将来への値上がり期待が異なり、
相続人同士の思惑により争いになることがある。

ケース5
長男に事業を承継させるつもりである
⇒財産が分割できない事業用資産であるような場合に、ほかの兄弟との調整が問題となる

ケース6
実子と養子
⇒わが国の相続法上は実子と養子を区別していないため実子には感情面でのしこりが
残るケースがある

ケース7
親の面倒をみる子とみない子
⇒被相続人が死亡した後、残された親の面倒を誰がみるかは相続協議の際の最大の
ポイントの1つ

ケース8
相続人の中に相続税を支払えない者がいる
⇒相続財産の大部分が土地や故人が経営していた非公開会社の株式であるという場合に
よく起こるケース


次回は具体的な遺言を残しておきたいケースをご紹介します


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黙っていたら借金も相続:相続センター埼玉・八潮・草加・越谷・三郷

■相続の承認と放棄

被相続人が亡くなったのでその財産を調べたところ、借金のほうが多かった、ということもありますよね。

このようなとき、親の借金を子が背負わないといけないのでしょうか。

民法では、相続人は、相続があったことを知った日から原則3ヶ月以内(熟慮期間という)に、
相続を承認するか放棄するかを選択できるとしています。これを相続自由といいます。

具体的には・・・
①相続放棄
全面的に遺産の承継を拒否する

②単純承認
被相続人の権利義務の全面的な承継を承認する

③限定承認
相続財産を限度に、被相続人の債務、遺贈によって生じた債務の弁済を承認する

のいずれかを選択することになります。

したがって、明らかに借金のほうが多いといったケースでは、上記①の相続の放棄の手続きをとればよいことになります。

この相続の放棄は、熟慮期間内に家庭裁判所に放棄の申述によって行うことになっています。


■どちらかわからないときは限定で

相続する財産がプラスになるかマイナスになるかわからない場合に効果的なのが、③の限定承認と呼ばれる方法です。

限定承認は、相続に相続財産を限度とする有限責任の考えを導入したものと考えることもでき、これを相続の原則的方法としている国もあります。

この限定承認は、熟慮期間内に相続財産の目録を調整し、家庭裁判所に提出して限定承認する旨の申述をするというかたちで行われます。

ただし、相続人が複数いるときには、共同相続人の全員が共同するのでなければ、限定承認をすることができないという制限があり、1人でも足並みがそろわない場合には限定承認の途をとることはできません。

このような場合に、相続人が被相続人の債務を承継するリスクを遮断するには、単独で相続放棄の手続きをするしかない、ということになります。


■法定単純承認とは?

被相続人の権利義務の無限承継を承認することを単純承認といいますが、この単純承認は積極的な意思表示として行われるほか、法律が定めた一定の場合には、自動的に単純承認されたものとみなされることがあります。
(これを法定単純承認と呼ぶ)

この法定単純承認として、同条に掲げられている場合としては、以下のケースがあります。
1.相続財産の全部または一部の処分をした場合
2.熟考期間(3ヶ月)を過ぎた場合
3.相続財産の隠匿や財産目録への不記載などの背信行為をした場合

ついうっかり故人の高価な宝石や衣類の形見分けをすると、単純承認されたとみなされ、引き継ぐつもりのなかった故人の債務を無限に承継する結果にもなりかねません。
十分に注意しましょう。


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減殺請求の方法:相続センター埼玉・八潮・草加・越谷・三郷・吉川

◎遺産はまだ受遺者や受贈者に渡っていない

遺留分権利者は遺留分減殺の通知を内容証明で受遺者、受贈者に行う

遺留分権利者は遺留分を差し引いた額を受遺者、受贈者に支払う

◎遺産がすでに受遺者や受贈者に渡っている

遺留分権利者は遺留分減殺の通知を内容証明で受遺者、受贈者に行う

受遺者、受贈者は遺留分権利者に遺留分を弁償する

○遺贈があった場合、その受遺者に対して請求する
(複数いる場合は受遺者が受け取った額に応じた割合で請求する)。
不足が生じた場合、贈与がなされていれば受贈者に対して請求する(複数いる場合は後の贈与から始め、
次第に前の贈与に及び、満たされたところで終わる)


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遺留分の割合と計算:相続センター埼玉・八潮・越谷・三郷・草加・吉川

◎ケース1
「配偶者と子が相続する場合」

遺留分:1/2
各相続人の遺留分:配偶者 1/4・子 1/4
遺産の額が1億円の場合の計算例:
配偶者の遺留分 2,500万円 / 子の遺留分2,500万円
本来の相続分:
配偶者 5,000万円 / 子 5,000万円


◎ケース2
「配偶者と直系尊属が相続する場合」

遺留分:1/2
各相続人の遺留分:配偶者2/6・直系尊属1/6
遺産の額が1億円の場合の計算例:
配偶者の遺留分 3,333万円
直系尊属の遺留分 1,666万円
本来の相続分:
配偶者 6,6666万円 / 直系尊属の遺留分 3,333万円


◎ケース3
「配偶者と兄弟姉妹」

遺留分:1/2
各相続人の遺留分:配偶者1/2・兄弟姉妹 なし
遺産の額が1億円の場合の計算例:
配偶者の遺留分 5,000万円
兄弟姉妹の遺留分 0円
本来の相続分:
配偶者 7,500万円
兄弟姉妹 2,500万円


◎ケース4
「子どもだけ」

遺留分:1/2
各相続人の遺留分:子ども1/2
遺産の額が1億円の場合の計算例:
子の遺留分 5,000万円
本来の相続分:
配偶者 1億円


◎ケース5
「配偶者だけで相続する場合」

遺留分:1/2
各相続人の遺留分:配偶者 1/2
遺産の額が1億円の場合の計算例:
配偶者の遺留分 5,000万円
本来の相続分:
配偶者 1億円


◎ケース6
「直系尊属だけで相続する場合」

遺留分:1/3
各相続人の遺留分:直系尊属 1/3
遺産の額が1億円の場合の計算例:
配偶者の遺留分 3,333万円
本来の相続分:
配偶者 1億円


◎ケース7
「兄弟姉妹だけで相続する場合」

遺留分:なし
各相続人の遺留分:-
遺産の額が1億円の場合の計算例:
兄弟姉妹の遺留分0円
本来の相続分:
兄弟姉妹の遺留分 1億円 


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遺留分がポイントとなるケース:相続センター埼玉・八潮・草加・越谷

◎おもなケース1

・ある団体に財産をすべて畏怖するといった内容の遺言者が出てきた
・愛人に全財産を遺贈するといった内容の遺言書が出てきた

対策:
相続が開始して10年以内、かつ慰留分を請求できるとわかったときから1年以内に受遺者、または受贈者に対して遺留分減殺請求を行う


◎おもなケース2

・事業を承継させる、身体に障害があるなどの理由で子の1人にすべての財産を相続させたい

対策:
遺言でその旨を記載するほか、被相続人の生前中にほかの相続人が家庭裁判所で遺留分放棄の申し立てを行い、裁判所がそれを許可した場合に確実となる


◎おもなケース3

日頃から素行の悪い次男に相続をさせたくない

対策:
相続人に相続欠格や廃除があった場合や相続を放棄した場合などを除き、特定の相続人が有する遺留分を侵害することはできない


次回は「遺留分の割合と計算例」についてご案内いたします。


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減殺請求は税理士・会計事務所に相談:相続センター埼玉・八潮・草加

減殺請求の方法を説明します。

◎遺産はまだ受遺者や受贈者に渡っていない場合

遺留分権利者は遺留分減殺の通知を内容証明で受遺者、受贈者に行う

遺留分権利者は遺留分を差し引いた額を受遺者、受贈者に支払う


◎遺産がすでに受遺者や受贈者に渡っている場合

遺留分権利者は遺留分減殺の通知を内容証明で受遺者、受贈者に行う

受遺者、受贈者は遺留分権利者に遺留分を弁償する


○遺贈があった場合、その受遺者に対して請求します
(複数いる場合は受遺者が受け取った額に応じた割合で請求します)。

不足が生じた場合は、贈与がなされていれば受贈者に対して請求します
(複数いる場合は後の贈与から始め、次第に前の贈与に及び、
満たされたところで終わります)。


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遺留分減殺請求:相続センター埼玉・八潮・草加・越谷・三郷・吉川

遺留分減殺請求

相続人の遺留分が侵害されたときには、遺留分権利者やその承継人は、
受遺者や受贈者に対しての遺留分の減殺請求をすることができます。

実際には、まだ具体的な財産分与が行われていないのであれば、
遺留分を引いた額を受遺者などに渡します。またすでに相手方に財産が
渡っているのであれば、遺留分の返還を請求することになります。

遺留分権利者などに認められたこのような権利は遺留分減殺請求権と
呼ばれていますが、この権利は一般に形成権(一方的な意思表示だけで
効力の発生する権利)と解されており、たとえば、内容証明のかたちで
通知するなどの方法で行います。

また、遺留分の請求には、時効が定められており、遺留分権利者が
相続の開始、および減殺すべき贈与、または遺贈があったことを
しったときから、1年以内(または相続開始から10年以内に行わなければ、
権利が消滅します。

逆に遺留分を放棄するのであれば、1年間何もせずに放置しておくだけで
すみます。

遺留分の減殺請求により、弁償する場合には、現物の返還が原則と
なっていますが、もしも、不動産など分割することがむずかしい財産で
あれば、金銭で弁償することも認められています。

なお、遺留分権利者は、その遺留分を放棄することはできますが、
他の遺留分権利者の遺留分がそれだけ多くなるというわけでは
ありません。この点、相続の放棄の場合とは異なっていますので注意してください。


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遺留分について:相続センター埼玉・八潮・越谷・三郷・草加・八潮

■配偶者や子どもなどには遺留分がある

被相続人が遺書の中で表した最終の意思は、法律で定めている法定相続の規定よりも尊重される、というのが現在のわが国の相続法の基本的な立場です。

しかしながら、たとえば、ある被相続人が
「全財産を愛人A子に与える」、
あるいは
「全財産を○○団体に寄付する」
という内容の遺言をのこして 死亡したらどうなるでしょうか?

残された妻子はたちまち路頭に迷ってしまいます。
相続には、残された遺族の生活保障という意味合いもあるわけですから、
いくら自分の財産であるからといって、すべて自由に処分することまで、
法が許しているわけではありません。

民法では、相続財産のうち一定割合は(遺言の内容にかかわらず)
必ず一定範囲の相続人に留保される、という構成をとっており、
被相続人の遺言でもこれを侵害することはできないとしています。

このように、相続人が取得することを保証された分を遺留分といい、
遺留分を有する相続人を遺留分権利者といいます。

この遺留分権利者の範囲は、配偶者と子(代襲相続人を含む)、
直系尊属となっており、法定相続人のうち、兄弟姉妹には遺留分は
認められていません。

■遺留分算定の基礎とある財産

遺留分は、舞台的には、民法1029条、1030条の規定にしたがい
計算される「遺留分算定の基礎となる相続財産の金額の一定割合」として
表されます。

この遺留分算定の基礎となる相続財産は、具体的には、被相続人が
相続開始時において有していた財産の価額+相続開始前の1年間に
被相続人が贈与した財産の価額(1年前でも当事者双方が遺留分権利者に
損害を加えることを知って行った贈与がある場合、それを含む)-債務の
全額によって計算した金額をいいます。

相続人以外のものに対してなされた贈与や遺贈もふくまれる
などの点で、相続分を算定する場合の基礎となる相続財産とは
計算方法が異なっていますので注意してください。

なお、相続財産中に条件付きの権利や存続期間の不確定な権利が
ある場合などは、家庭裁判所が選定した鑑定人の評価にしたがい
その価額を定めることとなっています。


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生前贈与・特別受益:相続センター埼玉・八潮・草加・越谷

■特別受益者とは?

子どもが複数いるようなとき、それぞれの子どもは平等に相続するべきであるというのが民法の原則的な考え方です。

ところで、たとえば、
・兄弟の1人が家を買ったときに、親がその頭金をだしたというケース
・兄弟の中で1人だけ特別に大学に行く費用を出してもらった、親に資金を贈与してもらった
などといった場合はどうでしょうか。

兄弟が皆、同じ額だけ援助を受けていれば感情的なしこりは残らないかもしれませんが、そのうちの1人だけ特別扱いを受けたとなると、残りの兄弟には釈然としないものが残ります。

こうした、生前に特定の相続人が受けていた特別の利益などを相続の世界では特別受益と呼び、また、その利益を受けた者を特別受益者と呼びます。

具体的には民法では、遺贈を受けた場合や生前に「婚姻、養子縁組のため、若しくは生計の資本として」贈与を受けたケースでは、その分を計算に入れて相続分を決定するべきであるとし、こうした手続きを特別受益者の持戻しと呼んでいます。

■特別受益の持戻しはどう計算するか

たとえば
父親の遺産5,400万円を長男、次男、三男の3人兄弟で相続するというケースで、故人の生前に長男は事業開始資金として、1,000万円の贈与を受けていたとします。

本来ならば、兄弟それぞれが1,800万円ずつを相続することになりますが、長男がすでに1,000万円の特別受益を受けています。

このような場合、相続する財産5,400万円に1,000万円を加算し、これを均等に分割すると1人2,133万円となり、長男についてはこの金額から生前にもらった1,000万円を引いた金額の1,133万円、次男と三男については、それぞれ2,133万円を相続することになれば、平等感がでますよね。

なお、特別受益に相当するものには、このほかにも、結婚の際の支度金、土地の贈与、債務の肩代わりなどが含まれます。

またこれらが、相続の相当以前に行われたものであったとしても、その経済的利益を現在の時価に換算して評価し、相続財産に加算することになっています。


■特別受益者となるおもなケース

学費:兄弟の中で1人だけ特別に大学へ進学する学費などを出してもらった

結婚費用:結婚の持参金を特別に出してもらった

住宅取得費用:住宅を取得するために費用を出してもらった

開業費用:事業を開くための開業資金を援助してもらった

借金返済:借金の返済を肩代わりしてもらった


■特別受益分がある場合の分割方法

長男Aが生前、被相続人から店の開業資金500万円を支援してもらい、次男Bが300万円の住宅資金の贈与を受けた。

この場合、妻、長男、次男、長女の相続分は?

○法定相続による場合

遺産の総額 1億6,000万円
(長男の受益分 500万円)
(次男の受益分 300万円)

特別受益加算後の相続財産1億6,800万円
-妻の相続分:8,400万円
1億6,800万円÷2

-長男の相続分:2,300万円
1億6,800万年÷2÷3-500万円

-次男の相続分:2,500万円
1億6,800万円÷2÷3-300万円

-長女の相続分:2,800万円
1億6,800万円÷2÷3


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財産形成に寄与した人には?相続センター埼玉・八潮・草加・越谷

■財産形成に寄与すると・・・

相続人の中には、長年
・共稼ぎで相続人とともに頑張ってきた人
・病気の被相続人に代わり家をもり立ててきた人
・被相続人の療養看護などを行ってきた人 など、
被相続人の財産の維持や増加に特別の寄与をした人もいるでしょう。

そして、そのような行いに対して、相当な対価を受け取っていないような場合に、ただ単に故人が遺言にて示さなかったからといって、機械的に法定割合にしたがって相続分が決められたとしたら、納得がいきませんよね。

そこで、民法では、共同相続人中、被相続人の財産の維持または増加につき特別の寄与のあった相続人(寄与者という)に対し、本来の相続分を超える財産を取得させることとしています。

この本来の相続分を超えて加算される部分を寄与分といいます。

寄与分をどのくらいにするかは、共同相続人の協議で決めることになっています。
しかし、協議で解決しない場合には、寄与者の請求にもとづき、家庭裁判所が決定することになります。

なお、この場合家庭裁判所による寄与分の決定について、民法は「寄与の時期、方法および程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して定める」としています。

■寄与分がある場合の計算の仕方

寄与相続人がいる場合には、決定した寄与分を相続財産から控除します。

次に寄与分を差し引いた残りの額を、法定(指定)相続分で分配し、寄与相続人の分に、最初に控除した寄与分を加算すれば、各相続人の相続分が決定します。

なお、遺言によって遺贈分が定められている場合、寄与分は相続開始時における財産の価額からその遺贈の価額を控除した額を超えることはできないこととなっています。

■寄与分がある場合の分割方法

たとえば、長年被相続人の看病をした長男に寄与分を認めた場合、妻、長男、長女の相続分は?

○法定相続による場合

遺産の総額 1億6,000万円
(そのうち長男の寄与分 1,000万円)

寄与分控除後の財産 1億5,000万円
 -妻の相続分:7,500万円
 -長男の相続分:2,500万円+1,000万円=3,500万円
 -次男の相続分:2,500万円
 -長女の相続分:2,500万円


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相続人がいない時はどうするの?相続センター埼玉・八潮

■天涯孤独で死んでしまったら

配偶者にも先立たれ、子どもははじめからいない、親も死んでいるし、もともと兄弟姉妹はいなかった・・・というように天涯孤独で亡くなることもあるでしょう。

また、相続放棄や、欠格、廃除などによって相続人がいなくなることがあるかもしれません。

こうした状態を相続人の不存在といい、その場合の取り扱いについて、民法は相続編に独立の章を設けて規定しています。

民法では、相続人のいることが明らかでない場合、相続財産は相続財産法人と呼ばれる特別な法人の扱いとされ、相続人を探すための手続きを踏むことになります。

相続人が現れた場合には、通常の相続手続きになりますが、相続人が現れなかった場合には、一定の期間経過後に、

①債権者への清算

②受遺者への分配

③内縁関係にあった者など裁判所が認めた特別縁故者にあった者など裁判所が認めた特別縁故者に対する財産分与

の順に行い、最終的に残額があれば国庫に納められます。

■特別縁故者への分与とは?

特別縁故者への分与とは

①被相続人と生計を同じくしていた者

②被相続人の療養看護に努めた者

③その他被相続人と特別の縁故があった者(これらを特別縁故者という)からの請求にもとづき、家庭裁判所が相当と認める場合、相続財産法人の清算後のこった財産の一部または全部を特別縁故者に与えられるとした制度をいいます。

この特別縁故者への分与制度は、1962年の民法改正で導入されたもので、特別縁故者としては、身内同様に世話をした者、内縁関係にあった者、事実上の養子、長年介護をして最後を見とった者などが考えられますが、個人のほか、養老院など法人でもかまいません。 


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相続が不適格:相続欠格と相続廃除:相続センター埼玉・八潮・草加

相続欠格とは

一定の事由がある場合に、相続人の資格を失わせる制度

1.詐欺・脅迫により、被相続人が相続に関する遺言をすることやこれを取り消したり変更するのを妨げた者

2.被相続人や自分より先順位にあたり同順位で相続人となるはずの者を殺した、または殺そうとしたため刑に処せられた者

3.詐欺・脅迫により被相続人に相続に関する遺言をさせたり、遺言を取り消させたり、変更させたりした者

4.被相続人が殺されたことを知りながら、それを告発・告訴しなかった者

5.相続に関する被相続人の遺言書を偽造したり、変造、破棄、隠匿した者

相続廃除とは

配偶者、子、直系尊属などの推定相続人に以下のような行為があった場合、その相続権を奪うことを家庭裁判所に請求することを認めた制度

1.被相続人に対して虐待をした

2.被相続人に対して重大な侮辱を加えた

3.著しい非行があった


 

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事務局 埼玉県八潮市八潮7丁目1-13
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相続人にふさわしくない人:相続センター埼玉・八潮・草加

■相続欠格とは?

相続財産に目がくらんで不正な行為をした者を相続人とするのは、やはり納得がいきませんよね。そこで法律では一定の事由にあてはまる場合には、相続人となる資格を剥奪することとしています。

これを相続欠格といい、おもに以下のケースにあてはまる場合になります。
・故意に被相続人や自分よりも優先順位にある相続人を殺害した
・詐欺・脅迫により自分に有利な遺言書を書かせた
・遺言書を偽装、変造、破棄、隠匿した、など。

■相続廃除とは?

世の中には、被相続人の子どもや兄弟でも、被相続人に暴力をふるう、被相続人を侮辱した、被相続人の財産を無断で処分してしまうなど、相続人としてふさわしくない人物がいる時もあります。

このような場合、民法では被相続人本人の意思にもとづき、相続人の相続権を奪う相続廃除を家庭裁判所に請求することができます。

わが国の法律では、配偶者や直系卑属などに対し、相続分の最低限の保障を遺留分というかたちで認めています。が、もしも安易に相続人の地位を剥奪できるとなると、法律で遺留分制度を設けている意味がなくなります。

そこでこうした相続廃除は、家庭裁判所の審判によってのみできるようになっています。

家庭裁判所に対する相続廃除の請求は、生前に被相続人自身が行ってもかまいませんし、被相続人の遺言における廃除の意思表示にもとづき、遺言執行者が行っても可能です。

家庭裁判所で廃除の審判が確定すると、相続人はそのときから(遺言にもとづく廃除は相続開始のときに遡って)相続権を失うことになります。

なお、欠格の場合と同様、廃除された場合にも代襲相続は認められています。


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