相続の法律問題について(生命保険金その3)
前回に続き、生活におけるちょっとした疑問点についてQ&A形式で皆様にお届けします。
前回からの続きです・・・
(3)保険金受取人の指定が無い場合
→このような場合、保険金受取人は保険契約により決まります。
保険約款において、例えば被保険者の相続人を保険金受取人にしたり、被保険者の配偶者、子、父母、祖父母、兄弟姉妹をこの順位に従って保険金受取人にしているようです。このような保険約款の場合においても、受取人は固有の権利として保険金を請求することができます。つまり生命保険金は相続財産にならないと考えられます。
→これに対し、保険約款において、「保険金受取人は民法の規定を適用する」とされている場合には、保険金請求権は、相続財産になるという考え方と、保険金請求権は受取人の固有財産であって相続財産にならないという考え方があり、争いがあるところです。
(4)被相続人が自己を受取人として指定していた場合
→このような場合、指定された保険金受取人はいないことになりますから、(3)の場合と同様に考えることができます。
(5)被相続人が指定していた保険金受取人が被相続人とり先に死亡したのに、被相続人が受取人の再指定をせずに死亡した場合
→商法の規定により、指定受取人の相続人が受取人になります。この場合の相続人は、受取人が死亡したときの相続順位に従い相続人となる者です。この場合においても受取人の相続人は固有の権利として生命保険金を取得するものとされています。
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