相続の法律問題について(故人名義の自宅の対処法その1)
前回に続き、生活におけるちょっとした疑問点についてQ&A形式で皆様にお届けします。
Q 義母名義の土地上に夫が建てた自宅に夫死亡後も妻が住み続けることはできますか?
私たち夫婦は、夫の母の了解を得て母名義の土地上に夫名義の建物を新築して生活しておりましたが、夫と母との間では特に契約書等は作成しておりません。
ところが、夫が他界した後、夫の母や兄弟から、私が夫の母名義の土地を使用する権利は無いのだから、建物を明け渡せと請求されました。
私はこの請求に従わなければならないのでしょうか。
A 夫が、あなたを始めとした家族と住むためにその母名義の土地上に自宅を新築し、その際に夫の母がこの新築を了解していたものであれば、その後に夫やあなたと義母との間に争いが絶えずに往来も全くなかった等の特段の事情の無い限り、あなたは義母名義の土地を建物敷地として利用し続けることができます。
この土地利用について法律的にみた場合には、その土地についての使用貸借契約が存在すると考えられています。親子等の家族間には愛情や好意に裏打ちされた特別の関係があるのですから、この関係に基づいて無償で建物敷地として土地を利用することのできる契約が存在すると考えるわけです。
・・・次回にづづく