品川区大田区中小企業様のお役に立つISOコンサルタント田邉康雄(3)
前ブログで「大人物は稀有だった」と述べました。だから――。
―― このようなISOコンサルタントを送り込まれた「下請中小企業」はお気の毒でした。大企業が構築したISO9001やISO14001のマニュアルをそのまま「押し付けられた」のですから。
そのマニュアルを一言で表現するなら、「規格の目次」と「各条項」をそのまま並べたマニュアルでした。
―― このようなマニュアルは、企業の経営システムとは「別もの」でした。即ち社内で「二重構造」になっていました。しかし大企業はそのことを全く「意に介して」はいませんでした。もともと受動的に「ISO取得」をしたのですから。即ち取得そのものが目的だったのですから。
今でも多くの大企業は「ISO9001取得が本業の商品に関して品質改善に繋がる」とは、期待していないようです。残念なことには、ISO14001の発行目的を忘れていたようです。
―― 発行の契機となった、米国ユニオン・カーバイド・コーポレーション(UCC)事故のことが「忘却の彼方」へ去ってしまったようです。
即ち事故を起こしたUCC社は、インドのボパールで猛毒のイソシアン酸メチルを漏洩したことによって、補償金の重さに耐え切れず、会社が消滅しました。ISO14001は、この事故が契機になって発行されたことが忘れられているようです。
―― この事故例は、日本円にして年商3兆円もの「巨大企業ですら」、大きな環境事故を起こすと経営破たんをきたす好例でした。このような破綻を防止する目的で発行された国際規格がISO14001でした。
―― 受動的に取得したISO9001の延長戦上でISO14001に取り組んだのですから、やはり受動的でした。企業本業の活動に関して環境リスクの改善に繋がるとは、思ってもいなかったのです。
次ブログに続きます。