原発事故 田邉康雄のリスクマネジメントISO31000(7)
ヨウ素134(半減期53分)(放射性物質濃度2.9×10の9乗ベクレル)が2号機タービン室地下階溜まり水から検出との発表(原子力保安院)を受けて「再臨界発生」と前ブログに書きました。
―― 今朝おきてみると。これはセシウム134(半減期2年)の誤りだったと新聞に書いてありました。試料の再採取からやり直し測定した結果、誤りが判明したとのことです。記事は、日経新聞2011年3月23日朝刊一面「2号機極めて高い放射線」でした。やれやれ。
―― 記事には「原子力安全委員会が測定数値に疑問をもち、東電に再測定をもとめた」とありました。専門家には「半減期53分」「放射性物質濃度2.9×10の9乗ベクレル」の恐ろしい意味(再臨界開始)がすぐに分かったのでしょう。だから測定数値に疑問をもったものでしょう。
―― しかしヨウ素134と発表した瞬間には、発表者(原子力保安院)はその値が真実と思っていた筈です。その意味が「再臨界」を意味すると、どうして言わなかったのでしょうか。発表者がそのことを知らないのでしょうか。それとも影響大きいと思って敢えて言わなかったのでしょうか。
―― とりあえず私の「再臨界恐怖」は払拭しました。なぜなら、稼動中に生成したセシウム134が、金属鞘がメルトダウン(融解)して露出した燃料ペレットの一部が、タービン駆動水によってタービンへ運ばれたものと推定できますから。
―― しかし今後どうなるかは私には分かりません。メルトダウンした燃料ペレットが容器底に積もって再臨界を迎えないという保証は、私には見えません。だから昨日書いたように日本国首相が率いる国家的危機管理組織の立ち上げが待たれます。