福島原発の爆発―ISO31000リスクマネジメント(2)
昨日、福島第一原発の一号機において建屋内に空気と混合して滞留している水素(H2)に引火してガス爆発を起こしたことを紹介しました。そしてこれは原子炉の中心部とは何ら関係はないと説明しました。
―― 英国BBC放送は、「ガス爆発」瞬間の動画を繰り返し、繰り返し放映しています。この記録動画により、爆発の瞬間に衝撃波が走ったことが分かります。衝撃波は、「量の多い爆鳴気」の引火爆発に特有な現象です。
―― 一般市民の方々は、原子炉中心部が破壊されて放射線発生物質が大量に漏洩したと思っておられたかも知れませんが、そんなことはないので心配は要りません。理由は以下の通りです。
いわゆる「炉心」部は、密閉用の頑丈な鋼鉄製容器に格納されています。この鋼鉄製容器は格納器と呼ばれます。格納器の外側で発生した「ガス爆発」程度で破壊されることは絶対にありません。
―― 因みに紹介します。
この格納器を製造できるメーカーは、世界中探しても一社しかありません。その一社とは、日本の室蘭にある「日本製鋼所」です。戦艦大和の直径46センチの巨大砲弾を打ち出す大砲を鍛造技術で製造した会社です。その鍛造技術を駆使して「釣鐘」のような形をした格納器を製造するのです。
多大な被害をもたらした「チェルノブイリ」原発では、炉心はこのような格納器に納められていなかったそうです。