福島原発の爆発―ISO31000リスクマネジメント(5)
前ブログにおいて、福島原発の1号機と3号機の建屋爆発は、建屋の「設計ミス」と断じました。しかし実際はそのように設計せざるを得なかったものでしょう。
なぜならば、「緊急の際は建屋外部に放出する」と言っては、近隣住民の合意が得られないでしょう。だからいわゆる「閉じ込め」が求められたのでしょう。これを受けたプラント設計会社が、施工主の言うことだからといって「閉じ込め」設計をしたのでしょう。
―― 閉じ込め設計をした結果、「緊急事態」において建屋の中で、水素が空気と混合した状態で存在することになったものでしょう。
その結果、1号機と3号機が水素空気混合物の爆鳴気の静電気着火爆発を起こしたものでしょう。
―― 放射線発生物質を閉じ込めた結果、返って放射線発生物質の「漏洩」をきたしたという、皮肉な結果をもたらしました。国民が「100%」閉じ込めをもとめた結果が「漏洩」という結果を招いたのです。国民も、もっと賢くならなければいけません。
―― 国民は、リスクマネジメントを学ばなければなりません。リスクマネジメントとは、「どこまで我慢できるか」を予め定めることです。これが出発点になります。これがISO31000の求めるところです。