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福島原発の爆発―ISO31000リスクマネジメント(7)


 前ブログにおいて「1号、2号、3号」炉は、すべて屋根が吹き飛んだので「もう大丈夫」と逆説的に言いました。「炉心融解」は発生しないという意味です。このことは正しいのですが、そこへ新たなニュースが飛び込んできました。「4号炉において火災発生」と。本日(2011年3月15日)午前11時頃のことでした。

 ―― 火災発生の原因
4号機は地震発生時点では、定期修理のために発電停止して核燃料棒を炉心から取り出し、4階の水プールに漬けてあったそうです。しかしプール水を循環するポンプの電力が供給されないので干上がってしまったそうです。
 核燃料棒の中に含まれているウラン235が(連鎖反応はストップしているのですが)自然崩壊してアルファ線やベータ線などの高エネルギー放射線を出し、それが棒内部において熱に変り、この熱でプール水が蒸発して核燃料棒が裸(はだか)になり、さらに温度が上がって金属性燃料棒と水面との境界部分で水を分解して水素が発生したものと推定されます。これが爆発火災の原因です。

 ―― 今後の最悪シナリオ
 今回はもっと恐ろしいことが起こりつつあります。干上がった核燃料棒を放置しておくと、さらに温度が上がります。鞘は、金属ジルコニウム製であり、その融点は1855℃です。ですから容易に融解します。
 これはいわゆるメルトダウン(炉心融解)に相当します。しかも格納器のない場所におけるメルトダウンです。まるでチェルノブイリとそっくりです。現に付近で400ミリシーベルト/時の放射能が検出されたと報じられました。この値は、これまでに報道されていた値と3桁以上大きな値です。放射能は単独では発生しませんから、これを載せる化学物質があります。その化学物質が飛散してきたということです。

 ―― 対策
 とりあえず火災を消火したとの報道がありました(13時00分)。今後やることは、決死の覚悟で給水車(無ければ消防車)を使用して水を4階のプールに注入することです。すでに建屋が破壊されていて水素が屋内に「こもる」心配はありません。
これによって更なる「炉心融解」は防止できます。さもないと、燃料棒全部の溶融という極めて恐ろしいことになります。菅直人総理も「東京電力は、危険を顧みずこれ以上の拡大を防いでほしい」と。

 前ブログにつづいて言います。「頑張れ東電!」と。

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